出版社内容情報
現実を異化し,魂の癒しと救済にみちびく滑稽なるものの体験。あふれかえる学識と一読哄笑のジョークを愉しんでいるうちに,おのずと笑いとユーモアが人間にとってもつ深い意味に眼が開かれる。世界的社会学者が満を持して放つユーモア学大全。
…換言すれば、ユーモアは人間学上の定数であると同時に歴史的関数だと言うことである。しかしながら、そうしたすべての相対性を超えて、あるいはその背後には、ユーモアによって知覚されると思われている何かが存在する。それこそまさに滑稽という現象である。(ユーモアという主観的能力に対応する客観的対応といってもよい)。そして滑稽なものは、最も単純なものから最も複雑なものまでズレとして経験される。
また滑稽なものは、ひとつの分離された世界を出現させる。これは通常の現実と異なる世界で、それとは異なる規則が作動している。またそれは、人間の条件たる諸限界が奇跡的に乗り越えられる世界でもある。滑稽の経験は究極において救済の約束なのである。宗教的信仰とはこの約束が守られるであろういう直観(これを「確信」と言える幸せなひともあろう)である。(本文より)
・1999年 5月 30日付読売新聞、野矢茂樹氏評
・「出版ニュース」99.6.中
・東京新聞 99.6.20
内容説明
現実を異化し、癒しと超越にみちびく滑稽なるもの。ジョークと風刺の聖地に育った世界的な社会学者が満を持して放つユーモア学大全。
目次
1 滑稽の解剖(闖入する滑稽;滑稽の哲学あるいは哲学という滑稽;笑う道士―ごくごく短い中国風幕間狂言 ほか)
2 滑稽表現の諸形式(気晴らしとしての滑稽―温和なユーモア;慰めとしての滑稽―悲喜劇;知的ゲームとしての滑稽―機知 ほか)
3 滑稽神学をめざして(癒しの愚者;幕間狂言―こわもての神学者たち;超越のしるしとしての滑稽)
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