著者等紹介
長谷川集平[ハセガワシュウヘイ]
1955年、兵庫県姫路市に生まれる。絵本、小説、評論、翻訳、作詞作曲、演奏など多様な表現を試みる。1976年第3回創作えほん新人賞を受賞した『はせがわくんきらいや』(すばる書房/現在、復刊ドットコム)でデビュー。『見えない絵本』(理論社)で、1990年第20回赤い鳥文学賞。『石とダイヤモンド』(講談社)、『鉛筆デッサン小池さん』(筑摩書房)で、1992年第14回路傍の石文学賞。『ホームランを打ったことのない君に』(理論社)で、2007年第12回日本絵本賞。2012年、第34回姫路市芸術文化賞。2002年から京都造形芸術大学客員教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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momogaga
58
【おとなこそ絵本】久しぶりに深読みしたお話です。あらすじは、日曜日に主人公の少年が最近引っ越してきた同級生と日がな一日キャッチボールをして、最後は暴投したボールが工事中の道路の穴に落ちて取れなくなり、月曜日に再度ボールを取りに行ったら穴は埋められていた。作者は何を伝えたかったんだろう?読み返すうちに、少しずつお話の裏にある深刻な意味が分かったような気がしてきました。穴だけに深いお話だな。2021/02/20
らぱん
49
「穴」その⑧ 二人の少年がキャッチボールをし続ける話なのだが…。谷川俊太郎×和田誠の「あな」へのオマージュで、東日本大震災三部作の最後の作品にあたる。構成は「あな」をなぞっており登場人物は一人多い。ひろしのキャッチボールの相手である「てんこうせい」の「ふくしましろう」だ。「あな」を知らなくても、震災や原発事故を考えなくても、充分に味わいのある物語だが、川上弘美の「神様」と「神様2011」との関係のように、震災前と震災後の世界として読むと違うものが見える。 読後に残ったのは静かな義憤と生きる闘志だ。↓2020/03/04
とよぽん
44
あの『はせがわくん きらいや』の作者だった。作者紹介のページを見て知った。ひろしと転校生しろうが、日曜日の朝から夕方暗くなるまでキャッチボールをしつづけた。途中、ひろしの家族や級友が声をかけても、ずっと。そして、ボールは工事現場の穴へ。二人の間を往復した、かけがえのないボールが・・・。最後の最後に静かな衝撃が待っていた。ボールを投げる体勢や二人の距離感などがとてもうまく描かれて、色遣いにも巧みさを感じた。2021/02/26
♪みどりpiyopiyo♪
44
にちようびの あさ、ひろしは しろうを さそって キャッチボールを はじめた。… ■ああ、これは良い絵本♪ ひろしと転校生のしろうのキャッチボール。何気ない日常。何気ない一言を、折々に思い出すんだろうなぁ。■『あな』(谷川俊太郎 文/和田誠 画/福音館書店)へのオマージュですって。(2015年)2019/01/30
keroppi
35
図書館にて。「あなに」というタイトルから「何?」と思ったら、そういうこと。キャッチボールし続ける二人の友情。白地の多い絵が、不思議と二人の関係を味わい深いものにしている。2017/10/15
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