哲学と子ども―子どもとの対話から

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  • サイズ B6判/ページ数 194,/高さ 20cm
  • 商品コード 9784788506213
  • NDC分類 104
  • Cコード C1010

出版社内容情報

 子どもがどのような哲学を持っているかについて、わたしが初めて関心をもったのは一九六三年のことだった。わが家の飼猫フラッフィに蚤がついたので、地下室に連れていって煙でいぶして消毒することにした。すると四歳になる長女のサラが、それを見てもいいかと聞いた。…<中略>…彼女はしばらくして言った。「お父さん。どうしてフラッフィに蚤がついたの?」。私は何気なく答えた。「他の猫と遊んでいて、その蚤がフラッフィに跳び移ったのさ」「じゃあその猫の蚤はどこから来たの」「それはまた他の猫から来たんだろうさ」。私は気軽に応えた。「他の猫からその猫に蚤が跳び移り、そしてまたフラッフィに跳び移ったというわけさ」
 サラは、しばらく考えているようだった。そしてまじめな顔をしてこう言った。「でもお父さん、蚤はそんなに次々といつまでも跳び移れるわけがないわ。永遠に続くものは、数字だけだよ!」(「はじめに」より)

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 【関連書籍】
 『 まなざしの誕生 【新装版】』 下條信輔著 (定価2310円 2006)
 『〈家の中〉を認知科学する 』 野島久雄、原田悦子編 (定価3780円 2004)
 『 子どもは数をどのように理解しているか 』 吉田甫著 (定価2310円 1991)

 【書物復権 2007】
 『 二歳半という年齢 』 久保田正人著 (定価2310円 初版1993を復刊)

内容説明

哲学にとって子どもとは何か?子どもの内なる哲学から哲学の内なる子どもへ。あなたの子どもをテツガクする本。

目次

1章 子どもについて―一哲学者の見解
2章 子どもについての理論とモデル
3章 ピアジェと哲学
4章 ピアジェと保存
5章 道徳性の発達
6章 子どもの権利
7章 幼児期健忘
8章 子どもと死
9章 児童文学
10章 子どもの芸術

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

イプシロン

26
「子ども」という概念と定義は近代以降「大人」によって作られたものであるといえる。ゆえに、近現代の子ども観は大人の持つ子ども像によって「未成熟」とか「未発達」な人という偏見・先入観が少なからず植え付けられたものといえる。そうした点を鑑み、哲学がもつ根本的に考える姿勢をもって「子ども」が大人と変わらない権利や自律性や道徳性をもつのではと考えることが重要では? と提言しているのが本著。様々な観点から多角的に語られているが、では実際どうするのがいいのか? という点についての提言は少ないのは残念だった。2023/12/19

しらい

1
ううーむ。今のぼくにはむずかしかった。2016/03/19

あい

1
梨木香歩 p.194「内なる子ども」は「王様は裸だ」と叫び続け、あらゆる疑問を提出し続けているのに、その声に耳も傾けず、その存在を無視し続けると、私たちは自身の存在の核を見失ない、糸の切れた凧のような表面的「大人」人生を送ることになるのかもしれません。(その予防策には是非児童文学を!)2015/01/20

kuro

0
子どもが哲学をするという活動について、それは未熟なものなのか成熟したものなのかという議論が面白かった。2020/09/07

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