出版社内容情報
子どもがどのような哲学を持っているかについて、わたしが初めて関心をもったのは一九六三年のことだった。わが家の飼猫フラッフィに蚤がついたので、地下室に連れていって煙でいぶして消毒することにした。すると四歳になる長女のサラが、それを見てもいいかと聞いた。…<中略>…彼女はしばらくして言った。「お父さん。どうしてフラッフィに蚤がついたの?」。私は何気なく答えた。「他の猫と遊んでいて、その蚤がフラッフィに跳び移ったのさ」「じゃあその猫の蚤はどこから来たの」「それはまた他の猫から来たんだろうさ」。私は気軽に応えた。「他の猫からその猫に蚤が跳び移り、そしてまたフラッフィに跳び移ったというわけさ」
サラは、しばらく考えているようだった。そしてまじめな顔をしてこう言った。「でもお父さん、蚤はそんなに次々といつまでも跳び移れるわけがないわ。永遠に続くものは、数字だけだよ!」(「はじめに」より)
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【関連書籍】
『 まなざしの誕生 【新装版】』 下條信輔著 (定価2310円 2006)
『〈家の中〉を認知科学する 』 野島久雄、原田悦子編 (定価3780円 2004)
『 子どもは数をどのように理解しているか 』 吉田甫著 (定価2310円 1991)
【書物復権 2007】
『 二歳半という年齢 』 久保田正人著 (定価2310円 初版1993を復刊)
内容説明
哲学にとって子どもとは何か?子どもの内なる哲学から哲学の内なる子どもへ。あなたの子どもをテツガクする本。
目次
1章 子どもについて―一哲学者の見解
2章 子どもについての理論とモデル
3章 ピアジェと哲学
4章 ピアジェと保存
5章 道徳性の発達
6章 子どもの権利
7章 幼児期健忘
8章 子どもと死
9章 児童文学
10章 子どもの芸術
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