出版社内容情報
近代の曙光の中で近代のアポリアと格闘したルソー。輻湊するルソーの感情に惻隠しつつ,その思想と自己像の絡みを『新エロイーズ』と『告白』から説き明かす。クラランの共同体の〈ユートピアと逆ユートピア〉は近代の暮れ方に光を投げかける。
・「日本18世紀学会年報」 96.7月 板倉裕治氏評
・「週刊読書人」 95.9.22
内容説明
近代の曙光のなかで近代のアポリアと格闘したルソー。輻湊するルソーの感情に惻隠しつつ、その思想と自己像の絡みを『新エロイーズ』と『告白』から読み明かす。そして、ドストエフスキーの感触をとおしてルソーを語る「ユートピアと逆ユートピア」は、近代の暮れ方に光を投げかける。
目次
もうひとつの「告白」
エロスの領分
ジュリの「レヴォリュシオン」
クララン・ユートピア
真昼の夢
父と子・母と子
関係からの離脱
自己像と思想
母性原理とアニマ
ママンとプチ
三人の小さな園
作品という所有
自然の恩寵に恵まれなかった人
ユートピアと逆ユートピア