内容説明
近代日本文学を女性とプラチックの視点から読み直し、妻の中にまで〈母〉を求める男と、それを望む母性の共犯関係―。日本人の抜きがたいマザコン性をさぐるフェミニズム批評。
目次
第1部 プレモダンと「母」―明治的なるもの(「母」への抵抗―徳富蘆花『不加帰』;「家」の崩壊―島崎藤村『家』;「家長」の苦悩―森鴎外『半日』)
第2部 近代的個人主義と「母」―大正的なるもの(エロティシズムと「母」―谷崎潤一郎『母を恋ふる記』;実存としての「母」―有島武郎『小さき者へ』;「母」からの離脱―宮本百合子『伸子』・野上弥生子「真知子」)
第3部 日本回帰と「母」の復活―戦時下の文学と「母」(コロンタイズムと転向作家たち―武田麟太郎『W街の貞操』・林房雄『新恋愛の道』;プロレタリア文学と「母」―小林多喜二『1928・3・15』、『党生活者』;転向文学と「母」―島木健作『第1義の道』;女性と転向文学―佐多稲子『くれない』、『歯車』、『灰色の午後』;ファシズムの美学と「母」―岡本かの子『母子叙情』)
第4部 「母」の怨念とその終焉―戦後的なるもの(太宰治的男女同権論―「母」への怨念―太宰治『男女同権』;「家霊」の怨念―円地文子『女坂』)
感想・レビュー
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竜崎
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近代日本文学を女性とプラチックの視点から読み直し、妻の中にまで<母>を求める男と、それを望む母性の共犯関係-。フェミニズム批評。 第1部 プレモダンと「母」-明治的なるもの(「母」への抵抗-徳富蘆花『不加帰』 「家」の崩壊-島崎藤村『家』 「家長」の苦悩-森鴎外『半日』) 第2部 近代的個人主義と「母」-大正的なるもの(エロティシズムと「母」-谷崎潤一郎『母を恋ふる記』 実存としての「母」-有島武郎『小さき者へ』 「母」からの離脱-宮本百合子『伸子』・野上弥生子「真知子」) 第3部 日本回帰と「母」の復活2014/02/17