出版社内容情報
《内容》 最初の患者たちはどう生きたか、科学者たちはどんなウィルス発見のドラマをくりひろげたか、そして社会は、いかにしたら効果的にエイズに対応できるか。内外の文献を最大限に参照し、現代の疫病としてのエイズの実像に多角的に迫った科学ドキュメント。
《目次》
第1章 疫病一 歴史二 マス・ヒステリーとスケープゴートさがし三 犠牲者のタイプわけ--罪深き者か、無この民か
第2章 エイズの人物像一 最初のエイズ患者二 エイズ時代のエイズ患者たち 1.エイズのシンボルとなった人々 (1)ロック・ハドソン (2)ライアン・ホワイト (3)ガイータン・デュガス 2.密やかな人々 (1)ディーン・レヒナー--おまえは犬ではない (2)ピーター・ピーポディー--隣人と友人に支えられて (3)トミー・アンソン--幼児のエイズ患者
第3章 果しない遡及一 ゲイ・プラーグ二 疾走する研究者たち 1.エイズ・ウィルス 2.ウィルスの発見者たち--エイズゲートとフレンチ・コネクション (1)立役者たち--ギャロとモンタニエ (2)前夜 (3)戦闘 (4)終結--エイズのヤルタ協定三 感染から発症まで四 未知に備える
第4章 エイズ検査--その実際と利用の功罪一 エイズ検査とは 1.エイズ検査へのアプローチ 2.検査の制度--偽陽性と偽陰性 3.エライザ法とウエスタン・プロット法二 エイズ検査の一般への適用 1.マス・スクリーニングの問題点 2各国のエイズ検査 (1)アメリカ合衆国 (2)イギリス (3)西ドイツ・フランス (4)社会主義諸国 (5)日本 (6)その他の国々三 エイズ検査結果の告知 1.カウンセリングの必要 (1)エイズと自殺 (2)検査前後のカウンセリング 2.告知の是非
第5章 急速な拡大と限られた経路一 世界的なエイズの広がり二 エイズの感染ルート 1.いわゆるハイリスク・グループ--男性同性愛者と麻薬常用者(静脈注射) 2.輸血・血液製剤・臓器移植 (1)輸血 (2)血液製剤 (3)臓器移植 3.母子垂直感染 4.異性愛エイズ感染 5.原因不明のエイズ感染三 感染ルートは他にもあるだろうか? 1.日常的接触(カジュアル・コンタクト) (1)唾液 (2)涙と尿 (3)蚊やシラミ、ナンキンムシなどの昆虫 2.医療従事者・研究者のエイズ感染 (1)注射針を誤って刺して感染 (2)医療行為の過程で器具の破損故障によって感染 (3)エイズ・ウィルス研究現場での感染 3.疫学的研究--医療従事者の感染事故
第6章 衝撃と痕跡--エイズの社会的影響一 社会の反応 1.エイズ・パニック (1)アメリカのエイズ・パニック (2)イギリスのエイズ・パニック (3)日本のエイズ・パニック 2.エイズ・パニック発生の原理 (1)脅威の四類型 (2)マス・メディアのエイズ報道 3.偏見と差別 (1)エイズに関する社会的偏見 (2)死亡診断書と新聞の死亡欄 (3)職場におけるエイズ問題 4.管理と処罰または保護--エイズへの法的対応二 社会への影響 1.ライフスタイルの変化 2.文化的影響--いくつかの断片的事実三 教育と広報 1.社会科学的研究への期待 2.各国の現状 (1)アメリカ合衆国 (2)イギリス (3)その他の国々 3.効果の検証 事項索引 人名索引
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【関連書籍】
『 老いをあざむく 』 R・ゴスデン著 (定価4095円 2003)
『 病原体進化論 』 P・W・イーワルド著 (定価4725円 2002)
『 病気はなぜあるのか』 ネシー、ウィリアムズ著 (定価4410円 2001)