内容説明
小出正吾(1897~1990)は天性のユーモリストで、幼時からの敬虔なクリスチャンであり、自然と人間と平和を愛しつづけ、生涯童心を失わなかった稀有な児童文学者であった。その著作は、童話、少年少女小説、再話、翻訳、伝記、聖書物語、エッセイなど多岐にわたり、出版された単行本は百四十数冊、共著や編著を合わせると総数二百五十冊を超える。児童文学の分野だけでなく、おとな向けに書かれた作品も少なくない。本全集は、厖大な小出の著作のなかから、主要な創作童話と少年少女小説、それに若干の再話および伝記を加え、全四巻に編集したものである。第一巻には、大正十一年(1922)ごろから昭和十六年(1941)にいたる初期の作品三十二編を収めた。