内容説明
これは厳密な意味ではたぶん、美術の本ではないかもしれない。レンブラントによって人生を、ものの見方を教えられ、なぐさめられ、勇気づけられてきた人間の、一種の自叙伝、文字通り自分だけの感覚に基いた―その意味ではまぎれもなく偉大なロマンティシストの伝統の上に立っていると自負することのできる―「偏見にみちた」私的レンブラント論である。
目次
1 勤勉なカントリーボーイ―ライデンでの習作時代
2 富よりも名誉を―三〇年代アムステルダムの流行肖像画家
3 名誉よりも自由を
4 夜警―試練の時代
5 自分は自分である―五〇年代魂の画家の誕生
6 孤独な探求者―パウロやホメロスを友として
7 自己を見つめて―晩年の自画像