内容説明
女優アルカージナとその愛人で、売れっ子作家のトリゴーリン、反発する女優の息子トレープレフは愛するニーナさえも母の愛人に奪われ、母の愛も得られない。去っていく母、作家、恋人。そして自殺未遂…。二年後、望みどおり作家になったトレープレフの元へ、母の愛人に捨てられ、子も亡くし、狂気を帯びたニーナが現れる。
著者等紹介
中本信幸[ナカモトノブユキ]
神奈川大学名誉教授。1932年栃木県足尾に生れる。1955年東京外国語大学ロシア語科卒業。1961~62年モスクワ大学留学。ロシア文学、演劇専攻。チェーホフ、シェイクスピア研究(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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保山ひャン
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劇的なドラマは、裏で行われている。巻頭にはイラストと、あらすじがあって、わかりやすい。かもめははっきりと「シンボル」だと登場人物が言っているが、また、何を意味しているかわからない、とも言わせている。かもめの真意だって、裏に隠されているのだ。2015/08/20
あかふく
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書かれているものと書かれているもの。2012/11/30
モリー・ブラウン
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飛べないかもめ。悲しい鳴き声で飛ぶかもめですらなく、登場のときにはすでに撃ち落とされ剥製にされるしかなく、剥製にされても眺められることなく忘れさられるかもめのニーナ。人間を描き、演じる芸術家達の結局は自分にしか興味のない浅い物語のなかで、ただ医者だけが確かに人間を人間として見つめている。 しかし今の私にはイマイチ良さが分かりかねる。2012/06/08
み
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ロシア人の名前が長いのと、登場人物や時間ごとに相手を呼称するときの名前がかわるからめっちゃまどろっこしかった。人が演じるとどうなるのだろうか。気になる。 2022/01/25
てら
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ロシア文学初挑戦。正直に言って分かりにくい。人の名前が覚えられん。誰が誰だかこんがらがってしまう。ロシア文学は難解というイメージがあった。この『かもめ』に関して言えば、難解というよりも、読んでいて頭の中で人物が生き生きと動き出してこないのだ。いや、トリゴーリンについては優柔不断にしてもクズオトコだなぁという印象はもつのだけれども。うーむ、まだこういう本は私には早かったのだろうか。もう少し海外文学にあたりたいと思った読了後だった。 2019/12/27
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