内容説明
“歌は世につれ、世は歌につれ”と申すように、音楽の歴史は社会や民族の歴史を反映している。本書にはロシア人の祖先が、どのように広大な大地に根づき、歌い、歴史を語り伝えてきたかの一端が簡明に述べられており、ロシアの文化に興味をもつものを強くひきつける。ブイリーナ、スコモローフの世界から物語がはじまる民話の世界であり、ひろく言えば、フォークロアの世界だからだ。ロシアの文学に、絵画に、もちろん音楽に興味をもつ者にとって、これほど面白いものはないであろう。初版が、多くの読者を得て売り切れになったのを機会に、あとがきを全面的に改め、新しい解説として書きおろし、初版中の誤植などを訂正し、ここに新版として発行することにした。
目次
ロシアの音楽の起源
キエフ・ルーシの音楽、大ノヴゴロドの音楽、モスクワ・ルーシの音楽
漂泊楽師たちの芸術の進歩
一八世紀の音楽。都市民謡の誕生
一九世紀のクラシック音楽と民族音楽
ロシア民族音楽につくしたアンドレーエフの生涯
十月革命以降の民族オーケストラ
現代の民族楽器と音楽
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- 和書
- 僕と彼女と彼女の生きる道