内容説明
本論集は、100年前の鴎外森林太郎と彼をめぐる諸問題を考察の対象とし、その前後の国文学・文学の水深を確かめることにより、これからの我々の生き方・在り方を探ったものである。
目次
近代国文学の成立
翻訳と翻案の区別―明治32年のベルヌ条約加盟をめぐって
歌枕と国姓爺の島―日清戦争・台湾・森鴎外
日清・日露戦争間のドイツ思想・文化論の意義―鴎外と樗牛・嘲風の評論活動を視座として
浄書される日記―鴎外「小倉日記」考
鴎外の女性論―21世紀への架け橋
『うたかたの記』覚書―文芸と歴史との間
「佐橋甚五郎」―歴史小説・心理小説として