感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
冬見
13
有島武郎の全生涯を追った伝記作品。非常に公正な目で批評がなされているように感じた。彼の身を滅ぼすまでの潔癖さが美しくて、哀しくて、切なくなるくらい強く心を引きつけられる。有島武郎は好きな作家の一人だが彼の生涯については断片的な情報しか持っていなかったので、本書を通して彼の人生に起こった出来事や作品の概要と批評に触れることができ、抱いていたいくつかの疑問も解消されたので、非常に得ることの多い一冊だった。背景事情を知ることで今までとは別の角度から作品を解釈できるようになったことも嬉しい。2019/04/02