内容説明
日本現存最古の古典文学、古事記。「王権の書」として研究されてきた従来の成果を踏まえつつ、アニメやコミックに囲まれて育った世代に向け、エンターテイメントとしての読み方を提供。古事記神話の構造は、ウルトラマンやポケモンにも共通している!?痛快なオリジナル訳と一こまマンガで、「古典」のかたいイメージを破壊しつつ、通説からの脱却、さらには成立論にも挑む。エンタメ路線で読んで笑って本当のたのしみ方を知れば、古事記の真髄が見えてくる。
目次
1 古事記、神話への知的冒険―上・中巻で構造論(大人気スマッシュ・キャラクターズ―物語の構造分析;異郷訪問の主題による変奏曲―古事記上巻のあらすじ;王権誕生の物語―古事記神話の構造分析;神話の崩壊―古事記中巻のあらすじと分析)
2 古事記、the Entertainment―中・下巻で表現論(古事記は「王権の書」か?;古事記の技法;問いかける古事記)
3 古事記2007、あの人たちの戦場―序文で成立論(三浦佑之の逆襲;太安万侶の弁明;神野志隆光が斬る!;笑う天武天皇)
著者等紹介
志水義夫[シミズヨシオ]
1962年4月13日東京都に生まれる。1986年3月東海大学文学部北欧文学科卒業。1991年3月東海大学大学院文学研究科日本文学専攻博士課程後期単位取得退学。博士(文学)。現職、東海大学文学部日本文学科准教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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歩月るな
9
さきごろ世界史を漠然と眺めた経験から、本邦に立ち戻ってみるためにまずこちらを。後々『マンガでわかる古事記』に結実していくので理解を深めるには併せて読んでみるのが良いかも。「神話」とはなんぞや、とかややこしいことは抜きにしても「王権」に着目するとやっぱりアーサー王伝説などと同じことをやっている、ように見えて国の土台が違うので「まじめにうけとる」かどうかという視点や態度の違いで、また見えてくるものが変わってくる。主に『日本書紀』の理解のための注釈書として扱いが軽かったと言う『古事記』が親しみやすくなる一冊。2017/09/30
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