内容説明
桐壺更衣に端を発し、藤壺、紫の上へとつながる「紫のゆかり」と、桐壺更衣から明石君へと流れる血縁がなす「復権のゆかり」。二つのゆかりは、光源氏の運命を定めた三つの予言の間にたゆたい、長編物語を構築する。表には見えない物語や、作者紫式部の隠された意図をも乗せ、一貫して源氏物語を支えているものとは。
目次
1 源氏物語の長編構造―予言とそこに隠されたもの(三つの予言と裏に秘められた運命;帝の素質はあるが、帝にはなれない―予言1 ほか)
2 藤壺の物語―桐壺帝は知っていたか(光源氏の運命の女性―内発的な力;輝く日の宮、光源氏 ほか)
3 復権のゆかり―明石君の物語(呼称―人の呼び方;明石君という呼称 ほか)
4 一人の女性を愛する物語―紫の上(理想的女性、でも平安貴族としては異例;紫の上の登場―無垢の魅力 ほか)
著者等紹介
熊谷義隆[クマガイヨシタカ]
1955年1月22日宮城県石巻市に生まれる。1978年3月宮城教育大学教育学部卒業。1980年3月東北大学大学院修士課程修了。専攻:国文学。現職:山形短期大学教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。