内容説明
芭蕉という一個人の人生の転機。それは、甲斐へ旅立つ前の数年間に集約されている。江戸の大火遭遇から甲斐へ避難する道程で、芭蕉はおのれを見つめる深遠な視点を獲得し、やがて旅人へと変貌していく。甲斐行において詠まれた句、時代状況・俳壇状況などから、旅人・芭蕉誕生の原点をさぐる。
目次
芭蕉一生の構図―変転する運命
宗匠の廃業、そして江戸大火
甲斐の国中地域
甲斐の郡内地域
芭蕉来訪前の谷村について
芭蕉の精神的背景
芭蕉はかくして甲斐へ
夏馬の遅行
甲斐で詠まれた発句群
変貌する芭蕉
甲斐行の意義
連句の世界
心のふるさと谷村
甲斐行のみのりと麋塒のその後
著者等紹介
楠元六男[クスモトムツオ]
1947年5月31日鹿児島県に生まれる。1974年3月都留文科大学文学部国文学科卒業。1979年3月立教大学大学院文学研究科博士課程中退。専攻(学位)は文学(修士)。現職、都留文科大学教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。