内容説明
江戸時代二百六十年を通じて、朝鮮通信使の来日は十二回を数える。通信使には、儒学や漢詩にすぐれた者が随行しており、日本国内の文人と国境やことばの壁を越えた文化交流を果たしていた。制約の多い時代にあって生まれたこの「文芸共和国」とも称すべき心の交流を掘り起こし、さらには通信使帰国後の記録から、交流の偉績を見出す。
目次
1 朝鮮通信使(ソウルから藍島まで;赤間関で;天下の大○○ ほか)
2 北学派(通信使と燕行使;洪大容の場合;意外なエピソード)
3 蒹葭堂(北学派から蒹葭堂へ;李徳懋の場合;天涯の知己 ほか)
著者等紹介
高橋博巳[タカハシヒロミ]
1946年6月27日岡山県に生まれる。1969年3月東北大学文学部史学科卒業。1976年3月東北大学大学院博士課程退位取得退学。専攻・学位:近世漢文学・文化(文学修士)。現職:金城学院大学文学部教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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しずかな午後
11
一八世紀の東アジア、江戸幕府・李氏朝鮮・清朝とが並び立ったそのつかの間の幸福のような時代。朝鮮通信使として来日した成大中たち一行と、木村蒹葭堂を中心とする日本の文人たちの交遊が本書の中心をなす。言語の違った彼らは双方にとって異国語であるはずの「漢文」による筆談で会話をし(だからこそ今も生々しく彼らのコミュニケーションの様子が残っている)、ともに漢詩を和し、詩画を語り、書を送りあった。朝鮮と日本と国は違えど、同じ教養と趣味を持つことを、互いに確かめあうような彼らのやり取りからはその驚きと喜びが伝わってくる。2024/10/10
なつきネコ@成長した化け猫 久びさの成長
8
東アジアの文芸共和国と言うには、中国がいない。ここは朝日文化交流記のほうが内容に近い。逆に中国がいないにのに漢字の知識を下地に朝鮮と日本が交流できる所に中国の文化的な力が見える。朝鮮でも知識を求めた高潔な人もいたんだな。西洋、イスラム教などに理解する姿勢、こんな人が多ければ朝鮮も早々と改革ができたのに。大阪の文化的な華やかさと学識の高さが見える。韓国は漢字を捨てハングルだけを学んだ。東アジアの共通語の漢字はヨーロッパのラテン語と同じ物だ。そのせいで歴史がわからず、ウリナリしか語れなくなたった惜しいことだ。2021/11/17
akuragitatata
1
こう、読みやすくはある。2021/09/28
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