内容説明
“喜劇”としての『明暗』。“弛緩剤”としての清子とは。『明暗』はどんな人間世界を描いたのか、今どう見えるのか。漱石の遺作が豊饒な滑稽小説として、生き生きと動きだす。
目次
第1章 一〇〇年の“笑い”(美男子物語の“遅延”;“暗い漱石” ほか)
第2章 津田の“ゆるみ”(「医者」で始まる話;“ちっぽけな人間” ほか)
第3章 お延の“自負”(手術当日;劇場行き ほか)
第4章 「愛の戦争」(小林来訪、お秀と堀;病院での対決 ほか)
第5章 『明暗』の“凡常”(清子とは何か?;「ツマラン坊」津田 ほか)
著者等紹介
細谷博[ホソヤヒロシ]
1949年千葉県に生まれ東京で育つ。早稲田大学法学部卒。同文学部卒。同大学院文学研究科修士課程修了。博士(文学、大阪大学)。南山大学名誉教授。単著:『凡常の発見―漱石・谷崎・太宰』明治書院(1996 やまなし文学賞)ほか(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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