感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
お抹茶
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源氏物語そのものではなく,梗概本や『浜松中納言物語』や『夜の寝覚め』などを題材に,当時の言葉の使い方や人物像の解釈を考察。例えば,今昔物語集などの説話や記録には出てくる「蹴る」は,雅語で綴られる源氏物語では,躍動的な行為やそこから発せられる暴力的心象への忌避観からか,蹴鞠の場面でも用いられない。現代小説(といっても25~75年前の作品)と『夜の寝覚め』の共通点も考察しているが,これは著者が認めている通り,推測と言うか強引な点はある。浜松中納言物語は今の感覚でもエクセントリックな筋書きだ。2023/06/25
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