感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
maekoo
7
愛知淑徳大学文学部教授の外山氏の源氏物語における老女房に関する論文をまとめた面白い論文集です。 源氏物語に登場する老齢の侍女(女房)を中心に、物語本編との実は大きな影響や連関、その登場人物の出現の意味するもの等を深める事が出来、源氏物語読解の大きな参考となります。 末摘花付きの老女房・源典侍・西の京の乳母と右近・女三宮の乳母・明石の尼君・弁の尼・浮舟の乳母・小野の母尼と妹尼等々興味深い分析と指摘が溢れていて大変面白く読めました。 →続く2021/12/12
maekoo
4
4年前読了再読で面白い論文集! 愛知淑徳大学文学部教授の外山氏の非常勤講師時代である若い頃の名著! 小生が一番好きな巻である手習いに登場する高齢の登場人物達が原文も含め何度も読み返す程大好きで、この論文集の中では例の八十あまりの小野の尼君がユーモアいっぱい且つ光源氏より10歳年上で桐壺帝時代から宇治の終焉まで生きた人物造形の意味と作者の構想を分析推論する事が出来興味深いです! 各章の注や巻末の関連文献目録は研究の為の文献探しに重宝で、特に小生も既読の永井和子教授の「源氏物語と老い」との併読を強く推薦です!2025/03/01