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シリーズ臨床研修医指導の手引き
総論―ローテーション研修での必須事項

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  • サイズ A5判/ページ数 493p/高さ 21cm
  • 商品コード 9784787813503
  • NDC分類 492
  • Cコード C3047

出版社内容情報

《内容》 はじめに
 36年振りの改変となる新しい臨床研修制度がいよいよスタートす
る.目的は,患者さん・家族や地域社会のニーズに応えられる臨床
医の育成である.
 特に,今回新しく研修医を受け入れる各臨床研修病院・施設(以
下,研修施設)では,それぞれの実状に合わせて,1)厚生労働省の
臨床研修到達目標(以下,厚労省研修目標)に沿った,2)実行可能
な,3)独自の研修プログラムの作成と,その遂行のための研修シス
テムの構築,さらに,4)限られた研修資源を効果的,効率的に活か
すために,5)組織として教育・研修に取り組む文化,風土の醸成に
苦労されていることと思う.とりわけ,指導医にとっては,自身が
経験した研修とは異なる研修制度下での研修医の指導に加え,すで
に実績のある一部の研修施設を除けば,組織としての新しい研修シ
ステムの構築にも携わらなければならないであろう.多くの研修施
設では,手探り状態で,戸惑いながらの取り組みの中で,精神的負
担も大きい状況と推察される.そういう指導医や研修施設のために,
本書が少しでも役に立つことができれば,という思いで編集にあた
った.研修施設には大学病院から診療所まで,大きな幅があるため,
それぞれの施設に合わせて本書の内容を調整していただきながら,
ご利用いただければ幸いである.
 本書の編集コンセプトは以下の5点とした.
1)研修医が厚労省研修目標を達成するための指導医の手引きとな
ること,
2)内容は,「シリーズ・臨床研修医指導の手引き」の「総論」と
して,ローテーション研修での共通および必須事項をまとめること,
3)臨床研修は,卒前教育(特に,診療参加型の臨床実習であるク
リニカルクラークシップ),卒後研修(今回の臨床研修と,その後
の専門医研修),生涯学習と続く一連の学習過程の一部という視点か
ら,学習の一貫性を考慮した内容にすること,
4)具体的な内容には幅を持たせ,研修環境の異なる施設でも「参
考例」として利用可能なものにすること,
5)構成は,教育ワークショップなどで,馴染みのある「カリキュ
ラムプランニング」の手法である,「目標・方略・評価」に沿った
組み立てにすること.
 編集にあたっては,編集委員会を設置し,特に,卒前教育と卒後
研修の継続性を念頭に,メンバーを組んだ.卒前教育への取り組み
の一つとして2002年に出版した,熊本大学医学部臨床実習入門コー
ス・ワーキンググループ編集委員会の編集による,臨床実習用の学
習書である「基本的臨床能力学習ガイド:クリニカルクラークシッ
プ・ナビゲータ」の編集委員に加え,実際に,今,臨床の現場で研
修医の指導に直接あたっている指導医と,大学病院および臨床研修
病院の両方での研修経験があり,現在も研修中の研修医が参加した.
 執筆陣には,熊本大学医学部附属病院群以外の臨床現場での,研
修医指導の経験豊富なエキスパートにもご協力をお願いした.ご多
忙のなか,お引き受けいただき,編集方針にもご賛同いただいた皆
さんに心からお礼申し上げる.執筆の皆さんの意図を十分汲み取れ
なかった点については,ご容赦願いたい.
 読者の皆さんには,本書をまずはたたき台としてご利用いただき,
未熟な初版へのご意見,ご指導を賜れば誠に幸いである.
 最後までご面倒をおかけした診断と治療社の久次武司,中尾美智
子両氏と,熊本大学医学部附属病院・総合臨床研修センターの西川
毅氏のご支援に感謝申し上げる.
2004年3月17日  校正のための編集会議を終えて
編集委員会委員長  木川和彦
編集委員会副委員長 興梠博次
編集委員会副委員長 川口辰哉
編集委員会委員   平野照之
編集委員会委員   谷口純一
編集委員会委員   加島雅之    

《目次》
執筆者一覧
はじめに
本書の構成と利用の手引
第1部 卒後臨床研修のスタートにあたって
 第1章 研修の指針……………………………………………木川和彦
 第2章 研修プログラム作成
 …………………………谷口純一/高田 彰/川口辰哉/木川和彦
 第3章 研修医への指導…………………………谷口純一/木川和彦
第2部 卒後臨床研修の管理体制
 第4章 安全管理(医療事故)………………………………米村雄士
 第5章 感染管理
  A 病院感染対策………………………………宮川寿一/川口辰哉
  B 体液曝露対策(針刺し事故)………………………江藤健一郎
 第6章 健康管理…………………………………岸川秀樹/工藤祐美
 第7章 情報管理
  A 日常診療における診療情報の管理………興梠博次/高田 彰
  B 診療情報の開示と保護……………………高田 彰/長瀬啓介
第3部 研修医としての基本姿勢・態度
第8章 患者-医師関係………………………………………早野恵子
  A インフォームド・コンセント
  B 医師と患者の権利・義務
  C 臨床倫理
  D 終末期医療(ターミナル・ケア)に関する倫理的問題
 第9章 チーム医療……………………………………………早野恵子
 第10章 問題対応能力について……………………………松井邦彦
  A EBM
  B 鑑別診断の進め方:確率論的な考え方
  C 診療ガイドライン
  D 医療情報へのアクセス
 第11章 診療録(カルテ)の記載………………………宮里不二彦
 第12章 症例呈示と症例検討………………………………阿部好文
  A プレゼンテーション
  B ラウンド(回診)
  C カンファレンス
 第13章 医療の社会性………………………………………阿部好文
  A 医療保険制度と医療補助
  B 医療経済
  C 地域医療連携

第4部 基本的な診察法
 第14章 医療面接…………………………………………宮里不二彦
 第15章 身体診察
  A 基本的な身体診察……………………………………谷口純一
  B 特別な注意を要する診察
  B-1 高齢者の診察………………………………………阿部好文
  B-2 心身医学的診察……………………………………松林 直
第5部 日常診療の実際
 第16章 日常診療の流れ
  A 入院診療……………………加島雅之/谷口純一/川口辰哉
  B クリティカルパス………………………野村一俊/宮・久義
  C 外来診療…………………………………加島雅之/谷口純一
  D 病棟当直業務……………………………加島雅之/谷口純一
第17章 診療計画・医療記録・医療文書の記載……………早野恵子
  A 診療計画
  B 診断書・証明書の記載
第6部 基本的な治療と処置法の指導
 第18章 救急蘇生の教育……………………………………谷口純一
 第19章 頻度の高い一般的処置
  A 採血法…………………………………………………藤井一彦
  B 注射法…………………………………………………藤井一彦
  B-1 注射法一般
  B-2 静脈確保の方法
  C 導尿法…………………………………………………宮本 豊
  D 胃管………………………………………吉松眞一/佐々木裕
  E 創傷処置の基本………………………………………宮成信友
 第20章 基本的な治療
  A 薬物治療………………………………………………坂田研明
  B 輸液……………………………………………………北本康則
  C 輸血および血液製剤の使い方…………山口一成/米村雄士
  D 栄養療法…………………………………松本和也/荒木栄一
  E 精神療法………………………………………………松林 直
  F 理学療法………………………………………………大串 幹
  G 代替医療………………………………………………長尾和治
第7部 基本的な臨床検査の手技と解釈
 第21章 血液,体液などから得られる生体情報 
  A 尿検査…………………………………………………北本康則
  B 便検査……………………………………寺〓久泰/佐々木裕
  C 血算・白血球分画・血液像の見方…………………麻生範雄
  D 血液生化学検査…………………………荒木栄一/西田健朗
  E 免疫細胞検査・アレルギー検査……………………畑 裕之
  F 血液培養………………………………………………川口辰哉
  G 喀痰……………………………………………………佐藤圭創
  H 穿刺液検査
  H-1 穿刺法――腰椎穿刺・胸腔穿刺・腹腔穿刺
  ……………………………………坂本 理/平野照之/寺〓久泰
  H-2 穿刺液………………………………………………坂本 理
  I 細菌学的検査・薬剤感受性検査………戸坂雅一/佐藤圭創
  J 細胞診の基本…………………………………………徳永英博
  K 病理組織診断の基本…………………………………猪山賢一
  L 病理解剖・司法解剖・行政解剖の基本……………猪山賢一
 第22章 生理機能情報
  A 心電図(12誘導)・負荷心電図……………………杉山正悟
  B 血液ガス・パルスオキシメーター…………………興梠博次
  C 肺機能検査・スパイロメトリー・DLCO……………興梠博次
  D 神経生理学的検査
   (脳波・誘発脳波・神経伝導検査・針筋電図)……平野照之
 第23章 画像診断の基礎と注意点
  A 放射線検査と被曝防護………………………………山下康行
  B X線・CT・MRIおよび造影検査
  B-1 造影による放射線検査法…………………………山下康行
  B-2 頭部画像検査
  B-2-1 頭部単純X線………………………………………甲斐 豊
  B-2-2 頭部CT……………………………………………甲斐 豊
  B-2-3 頭部MRI……………………………………………平井俊範
  B-3 胸部画像検査
  B-3-1 胸部単純X線………………………………………興梠博次
  B-3-2 胸部CT検査………………………………………一門和哉
  B-4 腹部画像検査
  B-4-1 腹部単純X線………………………………………宮成信友
  B-4-2 腹部CT検査……………………………中山善晴/山下康行
  B-5 骨・関節疾患のX線検査
  ……………………………………水田博志/中村英一/高木克公
  C 核医学検査……………………………………………山下康行
  D 超音波検査(腹部・心臓・血管・産婦人科)
  ……………………金光敬一郎/河野宏明/平野照之/大場 隆
  E 内視鏡検査
  E-1 気管支鏡検査………………………………………松本充博
  E-2 消化管内視鏡と内視鏡的逆行性膵胆管造影法
  ……………………………………伊藤清治/桜井宏一/佐々木裕
第8部 生涯学習への準備
 第24章 研究会・学会発表と準備…………………………松井邦彦
 第25章 専門医制度と専門医資格の修得…………………松井邦彦

臨床研修関連参考資料

索引

内容説明

本書は、研修全般と、2年間で研修する基本(内科、外科および救急部門)および必修研修科目(小児科、産婦人科、精神科、地域保健・医療)に共通する内容について、そのポイントを現場に即してまとめたものである。

目次

第1部 卒後臨床研修のスタートにあたって
第2部 卒後臨床研修の管理体制
第3部 研修医としての基本姿勢・態度
第4部 基本的な診察法
第5部 日常診療の実際
第6部 基本的な治療と処置法の指導
第7部 基本的な臨床検査の手技と解釈
第8部 生涯学習への準備

著者等紹介

木川和彦[キカワカズヒコ]
熊本大学医学部附属病院総合診療部教授
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

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