内容説明
本書には宗教をテーマとする五つの論考が収められている。それらは宗教を社会現象として機能、教義学、不確定性、世俗化ならびに組織の観点から論じている。その一部は神学者たちとの討議のために書いた報告書である。
目次
第1章 宗教の社会機能
第2章 宗教教義学と社会進化
第3章 宗教という社会的システムにおける不確定性の変換
第4章 世俗化
第5章 組織
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
roughfractus02
7
宗教論を複数出版した著者はその初期の著作である本書で、宗教を機能システムとする手続きとして、「規定されるもの/規定されざるもの」という準拠問題を2価コードとして設定し、キリスト教の教義学において、このコードが「内在/超越」へ規定されるまでを、環節機能社会から身分機能社会へのシステムのシフトとして歴史的に辿る。一方、有限な人間の内在から超越を規定する際に生じる不確定性が、キリスト教会のジレンマとして教義を世俗化する傾向を潜在させていると捉える本書は、ここで閉鎖系の教会組織を外部環境に開いたシステムと見なす。2024/07/28