感想・レビュー
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africo
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沖縄の戦前文学史を研究する学者さんのエッセイ。とは言っても、大物は山之口貘くらいしか出てこなく、基本は現在名前が残っていない、同人誌投稿者レベルの話である。それでも、沖縄出身の知られざる作家、努力、苦悩を掘り起こそうとする姿勢は、本人が、そんな瑣末な研究をして資料を探しても結果何になるんだろう、なんて言う弱音も含めて好感が持てる。元は沖縄タイムスの連載らしいが、沖縄の地元愛というか、アイデンティティに対する欲求は、やっぱヤマトンチュより強いなあ。こんなマイナーネタ、本土じゃ新聞連載なんて絶対ないぜ。2020/06/27