内容説明
大正四年の晩秋、貴族院書記官長であった柳田国男は、大正の大嘗祭に大礼使事務官として奉仕していた。一方、民俗学者として知見と独創を深めてきた彼は、聖なる樹木の下で御杖を手に託宣する巫女こそが、列島の最初の神聖王ではなかったかと考えていた―。フレーザー、折口信夫を媒介にして、わが国の固有信仰と天皇制発生の現場におりたち、封印された柳田の初期天皇制論を読み解く。
目次
序章 大嘗祭と村の秋祭り
第1章 宮廷官僚として
第2章 民俗学の創成と天皇観の形成
第3章 依代・心御柱・標の山と大嘗祭
第4章 巫女王と天皇
終章 閉じられる初期柳田国男の世界
著者等紹介
山下紘一郎[ヤマシタコウイチロウ]
1942年兵庫県に生まれる。東北大学文学部(国史学科)を経て同大学院修士課程修了。都立北多摩高等学校、田園調布高等学校、三田高等学校・定時制、駒場高等学校、日比谷高等学校、調布南高等学校に勤務。定年退職後は都立紅葉川高等学校嘱託を経て、現在、東京女子大学非常勤講師。柳田国男を読む会会員。東京都杉並区在住(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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