内容説明
選挙は、四年に一度、待ちに待ったムラ祭りの様相を呈する。たとえば、「カネと中傷が飛び交い、建設業者がフル稼働して票をたたき出すことで知られる甲州選挙」(朝日新聞07・1・29)。その選挙をささえる親分子分慣行、同族や無尽などの民俗組織、義理や贈与の習俗―それらは消えゆく、その地の遺制にすぎないのか。選挙に生命を吹き込み、利用されつつも、主張する、したたかで哀切な「民俗」の側に立って、わが政治風土の基層に光を当てる。
目次
第1章 ムラ祭りとしての選挙(神迎え;神の降臨;神祭りのあと)
第2章 ムラの選挙装置と民俗(イッケとジルイ;親分子分慣行;無尽と仁義)
第3章 ムラの精神風土と金丸信(甲州の政治風土;ムラの政治家)
終章 政治風土と民俗のゆくえ
著者等紹介
杉本仁[スギモトジン]
1947年山梨県に生まれる。青山学院大学を経て、同大学院修士課程修了。現在公立高等学校教諭・柳田国男研究会会員。山梨県都留市在住(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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