しいたけと3.11―福島原発事故が森林の恵みに与えた影響

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しいたけと3.11―福島原発事故が森林の恵みに与えた影響

  • 山本 美穂【編】
  • 価格 ¥2,750(本体¥2,500)
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  • サイズ A5判/ページ数 212p/高さ 21cm
  • 商品コード 9784787726018
  • NDC分類 657.82
  • Cコード C1036

出版社内容情報

原発事故による広範囲におよぶ森林の放射能汚染は、農林業のあり方にどのような影響を与えたのか--。

里山空間の多様性、循環性、持続性を示す存在である広葉樹を用いた原木しいたけ生産。その現場の声を拾い、絶望的状況での筆舌に尽くしがたい苦闘を見つめ、不可視化されてきた深刻な被害の諸相を明らかにする。

〈本書は、2011年を基点に、福島県、隣県の栃木県、さらに東北、九州の広葉樹林を舞台に何が起こっていたのかを、主に原木しいたけを題材として明らかにする。
 各章の執筆者がそれぞれの立場で向かい合ったのは、いずれも激甚災害による大きな傷を負った現場、その余波を受け変容を迫られた社会である。
 原木しいたけの生産と広葉樹林の利用・管理は、原発事故によってどのような影響を受け、どのように変容したのか。また、原木を遠隔地から調達するという事態は、その地域の素材生産・流通にどのような影響を及ぼしたのか--。〉

〈しいたけほだ木用の原木は広葉樹林のクヌギ、コナラが主に利用され、しいたけとその原木の生産は里山空間の多様性、持続性を示す指標ともなってきた。
 かつて農山村の暮らしの一部として欠かせない存在であった里山と人々との間に繰り広げられた多くの関係が失われた後、数少ない両者の「対話」の一つとして消費社会に確固たる位置を得て残されてきたのが、原木しいたけ生産なのである。……編者〉


【目次】

序章 なぜ原木しいたけに着目するのか--研究の背景と本書の目的…………山本美穂
 1 しいたけと原木と広葉樹
 2 しいたけ生産と原木をめぐる東西の違い
 3 原発事故と「三重の見えにくさ」
 4 本書の目的と構成

第1章 放射性降下物は樹体内をどのように動いたか--宇都宮大学農学部船生演習林にみるコラナと原木しいたけへの影響…………飯塚和也
 1 はじめに
 2 放射能と放射線
 3 宇都宮大学演習林における調査
 4 コナラ立木の放射性セシウムによる汚染
 5 露地原木栽培の生しいたけ
 6 コナラ立木によるセシウム137の経根吸収
 7 スギ樹幹木部におけるセシウム137の挙動
 8 おわりに

第2章 放射性降下物は森林内をどのように動いたか…………大久保達弘
 1 はじめに
 2 森林内の放射性物質の挙動
 3 樹体内の放射性物質の挙動

第3章 北関東(栃木県)にみる原木しいたけ生産の変容--中・低線量地帯の10年…………山本美穂
 1 はじめに--研究の背景・目的・方法
 2 統計からみる原発事故の衝撃
 3 原発事故から10年間のそれぞれの対応
 4 限定的回復と全体的縮小--真の復興へ向けて

第4章 東北(岩手県)におけるしいたけ原木流通の変化--原発事故の「視えざる影響」…………山本信次・小野滉翔・髙田乃倫予
 1 はじめに
 2 岩手県における原木しいたけ生産への原発事故の影響
 3 岩手県におけるしいたけ生産の技術的特徴
 4 原発事故後の県内しいたけ原木流通構造の変化
 5 しいたけ原木供給をめぐる県外との関係性
 6 「しいたけ原木供給連絡会議」の果たした役割
 7 小 括
 8 現状をもたらした要因と課題
 9 おわりに

第5章 激甚被害地(福島県)におけるしいたけ生産の変化と対応…………早尻正宏
 1 原子力災害のなかで
 2 原子力災害としいたけ生産
 3 原子力災害下の原木生しいたけづくり--田村市滝根町
 4 原木しいたけの出荷制限と試験栽培--相馬市
 5 原木しいたけ生産の不可能化--天栄村
 6 のしかかる歳月

第6章 九州から栃木県へのしいたけ原木の供給--原発事故が九州の産地に与えた影響…………石原昌宗・佐藤宣子
 1 なぜ九州に着目するのか
 2 栃木県への原木供給事業--森林組合連合会を中心とした新たな原木流通の構築
 3 大分県における移出用原木の生産主体と集荷体制
 4 熊本県における移出用原木の生産主体の変化
 5 宮崎県における移出用原木の生産と流通の特徴
 6 九州三県から栃木県への原木供給主体の特徴
 7 原木供給事業が九州の広葉樹資源に与えた影響
 8 まとめ--

内容説明

原発事故による広範囲におよぶ森林の放射能汚染は、農林業のあり方にどのような影響を与えたのか―。里山空間の多様性、循環性、持続性を示す存在である広葉樹を用いた原木しいたけ生産の現場の声を拾い、絶望的状況での筆舌に尽くしがたい苦闘を見つめ、不可視化されてきた深刻な被害の諸相を明らかにする。

目次

序章 なぜ原木しいたけに着目するのか―研究の背景と本書の目的
第1章 放射性降下物は樹体内をどのように動いたか―宇都宮大学農学部船生演習林にみるコラナと原木しいたけへの影響
第2章 放射性降下物は森林内をどのように動いたか
第3章 北関東(栃木県)にみる原木しいたけ生産の変容―中・低線量地帯の一〇年
第4章 東北(岩手県)におけるしいたけ原木流通の変化―原発事故の「視えざる影響」
第5章 激甚被害地(福島県)におけるしいたけ生産の変化と対応
第6章 九州から栃木県へのしいたけ原木の供給―原発事故が九州の産地に与えた影響
終章 福島原発事故後の広葉樹利用と森林管理

著者等紹介

山本美穂[ヤマモトミホ]
宇都宮大学農学部教授。専門は森林政策学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

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