出版社内容情報
三輪山を望む地に成立したヤマト政権は、推古天皇の時に王宮を飛鳥に遷した。三輪山信仰から新しい信仰へと踏みだし、やがて仏教を掲げて律令国家「日本」へと向かう。厩戸皇子の幻の斑鳩京をはじめ王家の皇子たちが命をかけ、それぞれの理想の国を追い求めた飛鳥時代を考える。
内容説明
厩戸皇子の幻の斑鳩京から天武天皇の藤原京へ。蘇我一族でありながら蘇我氏とは距離をおいた厩戸皇子。その国づくりは、王家の皇子たちによって受けつがれた。理想の国家をめざして熾烈な戦いに身を投じ、命をかけた皇子たち。その思いを遺跡からたどる。
目次
飛鳥(三輪山との別離―飛鳥へ遷る王宮;新しい信仰―飛鳥の寺院;王たちの奥津城)
斑鳩(律令国家前夜―厩戸皇子の斑鳩京;上宮王家の奥津城;大王家の系譜)
著者等紹介
前園実知雄[マエゾノミチオ]
1946年、愛媛県生まれ。同志社大学文学部卒業。1969年、奈良県立橿原考古学研究所に勤務。太安萬侶墓、藤ノ木古墳、法隆寺、唐招提寺など多くの発掘調査をおこなう。現在、奈良芸術短期大学特任教授、公益財団法人愛媛県埋蔵文化財センター理事長、奈良県立橿原考古学研究所特別指導研究員、真言宗豊山派法蓮寺住職(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
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月をみるもの
13
律令国家前夜というよりは、飛鳥古墳めぐり、、みたいな内容だった。これまでなんとなく教科書的に、律令国家形成=豪族連合から中国的な君主と官僚による(より中央集権的な)統治への政体変更、と思ってきた。しかしながら、あらためてよく考えてみると「土地は全部国家のものとして全国民に田んぼを分け与える」って政策は、実は共産主義だよね。。そんで天皇制=民主集中制。2022/07/03
chang_ume
7
植山古墳、小山田古墳、吉備池廃寺、飛鳥京跡苑池遺跡など、近年注目の調査を網羅しながら、古墳時代終末期(飛鳥時代)の社会動向を描き出す。とりわけ出土瓦分析に力点が置かれて、塔と金堂を併置する法隆寺式伽藍配置に関しては、吉備池廃寺(百済大寺)の影響を認めつつ舒明朝の意義を強調する。また斑鳩地域の偏向地割を上宮王家の「斑鳩京」建設と評価して、藤原京以前の都城計画としますがこのあたりは当然議論の的でしょう。とはいえ飛鳥・斑鳩地域の研究集成として現状最良の一冊であることは確かで、多くの人の目に触れてほしいと思う。2022/07/09
ナオ
0
たいへん分かりやすい。発掘調査の成果が盛り込まれており、具体的。2022/09/15
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