内容説明
岐阜県北端の飛騨市神岡町を中心とする中世高原郷では、地方武士江馬氏が室町将軍邸に似た庭園をもつ武家館をかまえ地域を治めていた。しかし戦乱の世になると、館を廃絶して本城を堅固にし、とりかこむように山城を築いた。考古学的調査などから領域支配の実像にせまる。
目次
第1章 武家庭園の発見(江馬の殿さまの館跡;あらわれた庭園遺構 ほか)
第2章 北飛〓に雄飛した江馬氏(中世高原郷と江馬氏;室町幕府の武士として ほか)
第3章 姿をあらわした武家館(江馬氏下館の変遷;武家庭園の実像 ほか)
第4章 北飛〓支配の実像(中世武家の領域支配とは;本城・高原諏訪城 ほか)
第5章 庭園の復元と未来(庭園の復元;江馬氏城館跡の価値 ほか)
著者等紹介
三好清超[ミヨシセイチョウ]
1977年、大阪市生まれ。富山大学大学院人文科学研究科修了。現在、飛騨市教育委員会事務局文化振興課係長(学芸員)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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やま
3
中世の武家屋敷を発掘に基づき丁寧に解き明かしています。復元もされていて一度見てみたい場所です。2024/03/16
Mentyu
2
実は、著者に直接復元庭園を案内していただく機会があったものの、前もって予習していなかったことで、だいぶ色々なものを見落としていたのだなと読みながら反省していた。庭園と会所に客人が向かう際の動線と、庭園が会所からしか見えない(そして館のプライベート空間も客人からは見えない)ようにする板塀配置の説明には感動した。周辺地形の長年の調査で、中世の景観が判明しているのもすごい。2025/01/30