出版社内容情報
「沈黙を破りたいという私たち共通の願い」。フランスの詩人・小説家である著者がDV(ドメスティック・バイオレンス)や性暴力の女性被害者たちに聞き取りをおこない、その経験をもとに執筆したフェミニズム詩集。
「息を潜める、小さな物音に怯えるように生きる女性たち。肩を強ばらせ、こんなはずじゃなかったと自分を責め、眠れない夜を過ごし、この生活から逃げられる瞬間を見極めようと神経を研ぎ澄ます女性たち。ページを一枚一枚めくりながら、今もその渦中を生きている女性たちの息づかいが聞こえてくるようだ。」(解説:北原みのり)
内容説明
「沈黙を破りたいという私たち共通の願い」。フランスの詩人・小説家である著者がDV(ドメスティック・バイオレンス)や性暴力の女性被害者たちに聞き取りをおこない、その経験をもとに執筆したフェミニズム詩集。
目次
1 生きのびた女たち(いろんな理由をつけられて;どこかに行けばうまくいく;すさまじい暴力、すさまじい沈黙;地獄;ウェディングドレス ほか)
2 彼女たちを讃える(霊柩車;私の体;沈黙;覚えておいて;私たちはあなたを讃える ほか)
著者等紹介
相川千尋[アイカワチヒロ]
フランス語翻訳者、編集者。お茶の水女子大学大学院人間文化研究科修了。仏和辞典編集、仏大使館勤務を経て翻訳者に(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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I
4
詩を読むことは少ないけれど、1年ほど前この表紙と表題を見た時に強烈に惹かれた。いざ読み始めるとある程度覚悟はしていたものの、想像を超える残酷な言葉が連なっていて気が重くなった。何よりこれはフィクションではなく、女性たちが必死に生きた証であると同時に見過ごされてきた傷と罪の可視化でもあるということ。ネガティブなニュースから逃げて、小説や映画の物語世界に浸ることが多いからこそ、この詩集は人の心の叫びをリアルに映し出し読者に訴える価値が備わっていると思う。女性としての誇り、自由になれる意志を持っていたいと思えた2024/03/26