韓国文学セレクション<br> イスラーム精肉店

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韓国文学セレクション
イスラーム精肉店

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  • サイズ 46判/ページ数 256p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784787721235
  • NDC分類 929.13
  • Cコード C0097

出版社内容情報

〈僕は自分の体に残っている傷跡の起源を知らない。〉

「僕には故郷がない。
懐かしい原風景もなければ、見慣れたものにまつわる記憶もなかった。
だから、どこにいても僕にとっては故郷であり母国だ。
誰であろうと僕の旧友であり家族だ。」

その日、僕はこの世界を養子に迎えることにした--。

朝鮮戦争の数十年後、ソウルのイスラーム寺院周辺のみすぼらしい街。
孤児院を転々としていた少年は、精肉店を営む老トルコ人に引き取られる。
朝鮮戦争時に国連軍に従軍した老人は、休戦後も故郷に帰らず韓国に残り、敬虔なムスリムなのに豚肉を売って生計を立てている。
家族や故郷を失い、心身に深い傷を負った人たちが集う街で暮らすなかで、少年は固く閉ざしていた心の扉を徐々に開いていく。

「僕はハサンおじさんに訊きたかった。
僕の体にある傷跡は、なにを守ろうとしてできたものなの? 僕にも守るべき魂があったの?
もしあったとしたら、僕の魂はなぜいまも貧しいの? なぜ僕は肉体も魂も傷ついたの?
僕の魂は肉体を守ってやれなかったし、肉体は魂を守ってくれなかった。
ということは、僕の魂と肉体はずっとばらばらだったのだろうか--。」

韓国でロングセラー。英語版とトルコ語版も翻訳出版された話題作

内容説明

その日、僕はこの世界を養子に迎えることにした―。朝鮮戦争の数十年後、ソウルのイスラーム寺院周辺のみすぼらしい街。孤児院を転々としていた少年は、精肉店を営む老トルコ人に引き取られる。朝鮮戦争時に国連軍に従軍した老人は、休戦後も故郷に帰らず韓国に残り、敬虔なムスリムなのに豚肉を売って生計を立てている。家族や故郷を失い、心身に深い傷を負った人たちが集う街で暮らすなかで、少年は固く閉ざしていた心の扉を徐々に開いていく。

著者等紹介

ソンホンギュ[ソンホンギュ]
孫洪奎。1975年、金羅北道生まれ。東国大学国語国文学科卒業。2001年、「作家世界」新人賞を受賞し、デビュー。その後も作品を多数発表。李箱文学賞、白信愛文学賞、呉永寿文学賞などを受賞。2010年発表の『イスラーム精肉店』で老斥里平和文学賞を受賞

橋本智保[ハシモトチホ]
1972年生まれ。東京外国語大学朝鮮語科を経て、ソウル大学国語国文学科修士課程修了。朝鮮文学の訳書多数(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

佐島楓

72
韓国文学を初めて読んだ。心や肉体に傷を抱え、貧困にあえぎ、きっと明日もあさっても変わり映えしない日常が続いていくのだろうと予感させる人々の暮らしがそこにあった。物語の中心にあるのは朝鮮戦争。住んでいる国土が直接戦争にさらされると、ここまで人は壊れてしまうのだろうか。どこか遠く感じながらも、少しは痛みを共有できたと思う。救いがあるように感じられるのは、主人公の少年が持つ独特の世界観が言い回しにあらわれているからか。読んでみてよかったと思う。わたしにとって韓国はもちろん、ほかの国の文学のハードルも下がった。2022/04/01

キムチ

49
冠に韓国文学セレクションとある。韓国に、なぜムスリム~トルコとギリシャの老人が・・しかも豚肉販売業で?出だしも展開も読みやすい・・が裏を読み掴めなかった。筆者、訳者共に40歳台の若手。筆者の想いを読んで「朝鮮戦争の痛み、その当時兄弟国として参戦したトルコ・ギリシャとの関係」にもう一度切り込みたかったという執筆意図を知る。でも、私にはなんか未消化感が残った。養子として育てられた僕・・体中に無数にある傷が語るものは??2022/07/08

星落秋風五丈原

38
夜、漢江を渡ってくると、ぽつんぽつんと目立つのがネオンサインのような十字架だ。仏教よりもキリスト教人口が多いらしい。一方こちらは目立たないが、ドラマで一躍有名になった梨泰院地区に、イスラム教徒の拠り所、ソウル中央モスクがある。朝鮮戦争に国連軍として参加したトルコ軍には何人かのイマーム(イスラム教徒の集団の指導者)が従軍しており、停戦後も彼らは布教活動のために韓国に残ったのが、大韓民国におけるイスラム教布教の始まりと言われている。信者は豚肉や犬肉を食しない。にも拘わらず、僕の養父ハサンは精肉店を営む。2022/02/23

崩紫サロメ

27
朝鮮戦争に従軍し、その後も韓国に留まり精肉店を営むトルコ人のハサンおじさんと、彼に引き取られた孤児の「僕」。ソウルのゲジェコンドゥ(=イスタンブルの一夜だての貧民窟)と言われる場に集う元ギリシア兵のヤモスおじさん、食堂の主人のアンナおばさん、戦争によって負った傷、それによる貧困、それでも失われない他者への愛が描かれる。ヤモスおじさんは「俺の犯した最大の過ちは、戦争を逃げ場にしてしまったことだ」と語る。この度のウクライナ戦争において、多くのヤモスおじさんが生まれるのだろうか、などなど。2022/03/21

キクチカ いいわけなんぞ、ござんせん

24
ソウルの貧しい街に住む年老いたトルコ人に引き取られた、孤児の少年の話。体には無数の傷があるが、その傷についての記憶が全くない。過去の記憶がないまま孤児院を生き延びて出てきた貧しい街と貧しい人々。支え合うというとよりお互い距離を置きつつささやかな関わりで生きる貧民街の人々。少年の友人達も吃音症の少年や、元朝鮮戦争の傭兵だった貧しいギリシャ人だが、彼らから出てくる言葉は哲学者のように示唆に満ちている。それに耳を傾け自分と周囲を受け入れていく主人公の少年。出てくる人々が皆幸せになりますように、と思った。2022/09/05

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