内容説明
いのちと私たちの静かな喜び。
目次
1 新月(いろりを焚いて;山桜 ほか)
2 三光鳥(アザミ道;雨の歌 ほか)
3 親和力(雨あがり;流木拾い ほか)
4 祈り(土の道;白露節 ほか)
5 単行本未収録作品(菜の花;春)
付録 朗読への招待
著者等紹介
山尾三省[ヤマオサンセイ]
1938年、東京・神田に生まれる。早稲田大学文学部西洋哲学科中退。67年、「部族」と称する対抗文化コミューン運動を起こす。73~74年、インド・ネパールの聖地を一年間巡礼。75年、東京・西荻窪のほびっと村の創立に参加し、無農薬野菜の販売を手がける。77年、家族とともに屋久島の一湊白川山に移住し、耕し、詩作し、祈る暮らしを続ける。2001年8月28日、逝去(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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けんとまん1007
44
何気ない日々の暮らし。それを、優しい言葉で紡ぐ詩人。そんな風に感じた。読みながら、そうそう、そうだよなあ~と何度も頷いた。時間だけなく、いろいろなものに追われている(追われてしまっているが正しいかも)今だからこそ、こころに沁みる。立ち止まること、しゃがんでみることも大切だ。2021/02/22
チェアー
13
支配するものはいらない、過度な文明もいらない。文明化していく過程で失うもののほうが大きく見えるから。自然は人間よりもはるかに大きく、知恵があって、人間はそのなかで暮らすことで学び、生き抜くことができるのだ。月を見て、雨を喜び、家族とともにいることを楽しむ。そんな暮らしが眼の前に見えてくる詩集だ。2019/07/11
tharaud
7
詩人が屋久島に移り住んで11年が経った1988年から、亡くなった2001年まで、3冊の詩集から収載されている。この人の詩を読むと、子どものころに故郷の野原や河原、海辺や林の中で味わった感覚を切ないほど鮮やかに思い出す。忘れてはならない、心の奥底に眠る原郷の風景、におい、感触が蘇る。2024/05/12
kana0202
2
イイね。ミーハーな感じになるが、島で暮らしてみたいなと思った。朗読もイイ。根のある生活。2021/03/20
Tsubasa Kato
2
「詩は、いずれも私という自我、あるいは個性がその境界を失って、世界と溶け合い、ひとつになった時に訪れる静かな喜びを記録したものです」(3) 22(あぶらぎりの花が咲いて) 25(夕方 (一)) 35(夕方 (二)) 41(藪啼きうぐいす) 53(山 人を見る) 54-55(小雨の中で) 59(帰ってくる) 63(いろり焚き) 156(キャベツの時) 168(地蔵 その一) 188(ゆっくり歩く) 216(雨水節) 278-279(白露節) 294-295(足の裏踏み)2019/08/15