絶望の林業

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絶望の林業

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  • サイズ 46判/ページ数 301p/高さ 19cm
  • 商品コード 9784787719195
  • NDC分類 652.1
  • Cコード C0095

出版社内容情報

「日本の林業は成長産業である」。
最近よく耳にする言葉です。その証左はどこにあるのでしょうか。そしていま、日本の林業現場で何が行われているのでしょうか?
補助金漬け、死傷者続出、低賃金、相次ぐ盗伐、非科学的な施策……。林業の現場には時代遅れで、悲惨な現状が隠されています。
若者の就労者が増えたことで、成長産業と期待されている日本林業。しかし、その実態は官製成長産業であり、補助金なくしては成り立たない日本の衰退産業の縮図といえます。
30年にわたり森林ジャーナリストとして日本の森、林業にかかわってきた田中淳夫だからこそ書けた、林業業界の不都合な真実に鋭く切り込んだ問題作

出版社からのコメント
山村に移り住んだ若者たちが林業現場に入り、いま、日本の林業が活況である……、といったニュースを目にすることが多くなりました。しかし林業の実態は、補助金がなければやっていけない典型的な衰退産業です。
政府が推進する、地球環境のためには林業を盛り上げ、排出権取引を活発化するといった政策は本当に日本の森林について考えたものなのか。そこには不都合な真実が隠されていないのか。
30年にわたり日本の森林、林業を取材してきた森林ジャーナリスト田中淳夫の渾身の一作です!


目次
はじめに─ 騙されるメディアと熱い思い

第1部 絶望の林業
1:「林業の成長産業化」は机上の空論
2:木あまり時代が生んだ木づかい運動
3:外材に責任押しつける逃げ口上
4:森も林業も知らない林業家
5:正反対の意味で使われる「間伐」
6:木材価格は高いという神話

第2部 失望の林業
Ⅰ.諦観の林業現場
1:手を出せない林地がいっぱい
2:徒労の再造林と獣害対策
3:森を傷つける怪しげな「間伐」
4:機械化こそ高コストの元凶
5:騙し合いの木材取引現場
6:事故率が15倍の労働環境
Ⅱ.残念な林業家たち
1:改革したくない森林組合
2:倫理なき素材生産業者
3:素人が手がける自伐型林業
4:林業をやめたい山主の本音
5:ロスだらけの木材の在庫管理
6:木悪説にハマった建築家たち
7:見失っている木育の対象
Ⅲ.滑稽な木材商品群
1:“見えない木”合板受容の功罪
2:木を見せない木造建築の罠
3:普及するのか国産材CLT
4:セルロースナノファイバーの憂鬱
5:再生可能なバイオマス発電
6:ハードウッドと大径木の危機
7:国産材を世界一安く輸出する愚
Ⅳ.痛恨の林業政策
1:モラルハザードを起こす補助金行政
2:無意味な「伐期」にこだわる理由
3:地球環境という神風の扱い方
4:違法木材野放しのクリーンウッド法
5:視界不良の林業教育機関
6:実態無視の視察と欺瞞だらけの白書
7:森の未来を見ない林政担当者

第3部 希望の林業
1:夢の「理想の林業」を描く
2:吉野林業の幸福な時代
3:森を絶やさず林業を行う恒続林
4:投資ポートフォリオとしての林業
5:篤林家たちの森と林業
6:絶望の中に希望は見つかるか

あとがき


著者紹介
田中 淳夫(タナカ・アツオ)
1959年大阪生まれ。静岡大学探検部を卒業後、出版社、新聞社等を経て、フリーの森林ジャーナリストに。森と人の関係をテーマに執筆活動を続けている。主な著作に『森は怪しいワンダーランド』(新泉社)、『森林異変』『森と日本人の1500年』(平凡社新書)、『鹿と日本人―野生との共生1000年の知恵』『樹木葬という選択』(築地書館)、『ゴルフ場に自然はあるか? つくられた「里山」の真実』(ごきげんビジネス出版・電子書籍)ほか多数。

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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

trazom

105
このところ意識して、これまで関心のなかった分野の本を読むように努めている。林業もその一つ。国産材は外材より安いのに売れないことや、林業経費の7割が補助金だということを知る。林業と一口に言っても、山主、伐採業者、製材業者などの利害が複雑に入り組んでいる実態も理解した。確かに、60年かけて育てた杉の丸太1本4000円というのは辛い。商品が完成するまで数十年かかる林業は「そもそも近代経済に馴染まない」「林業はプロダクトアウトであるべき」と著者は断言する。森林への愛情が深ければ深いほど、林業への絶望が大きくなる。2021/12/11

Sakie

24
将来のリスクヘッジに山を持っていたらいいんじゃないかと考えていたことがある。読んでほとほと嫌になった。今の日本では、まず生業として考えるべきではないな。地元の木で家を建てるのも、よく調べてからが良さそうだ。林野庁主導の補助金政策や業者の短期的利益追求で、林業のシステムは歪んでいる。木が育つためにかかる年月と人間の目先都合が乖離したら、軌道修正に何十年かかるのか。かといって即利益を求めない篤林家を目指すにも、境界線問題に始まり、盗伐やら獣害やらも考えると、想定以上に困ぱいさせられると覚悟した方がいいだろう。2020/12/12

文公

20
この1冊だけで現状をすべて説明できているとは思わないが、それでも日本の林業に良い印象を持つことはできない。林業はビジネスでありながら環境保全、生態系保存、防災に直結する。故に目先の利益だけではなく、50〜100年先のことを考えなければならないが、林野庁、山主、森林組合、伐採業者、製材業者、工務店、建築家、消費者それぞれにその意識が欠けている。もちろんそうではない篤林家も全国に多数いると作者は述べているが、業界として補助金依存体質、改革意志の欠如が解決されない限り「成長産業」となることはありえないだろう。2022/08/20

えも

17
インパクトのある題名、手に取ってみれば著名な森林ジャーナリストによる近年の林業批判の集大成▼第1部「絶望の林業」で一般人の勘違いを指摘し、続く「失望の林業」で山主、林業者等から行政まで全ての林業関係者にダメ出しした上で、最後の「希望の林業」で自らが思い描く理想の林業を紹介。言い過ぎ感はあるけど納得もできます▼何よりラストの「行政のできる仕事は(補助金のバラまきでなく、)情報の収集と提供、関係各分野の人々を結びつけるコーディネート、そして自分で考え実行する人材の育成ではないか。」には共感しました。2020/01/21

きゅうり

15
上流から下流まで絶望の林業。大規模な盗伐なんて日本で起こってるなんて信じられない。矜持を持った山主が他事業の収益で補填して山を続けてる。木は製品ではなくて森林のサイクル(恒続林)の一部。多様性があり商品価値が高い森林を育てることが重要。2021/01/24

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