講談社+α新書<br> ユング 錬金術と無意識の心理学

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講談社+α新書
ユング 錬金術と無意識の心理学

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  • サイズ 新書判/ページ数 230p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784062721394
  • NDC分類 146.1
  • Cコード C0211

内容説明

ルネサンス期の医師・錬金術「哲学者」パラケルススは精神医学的医療の先駆者でもあった。ここに「無意識の心理学」の萌芽があるとみたユングが情熱を尽くして語る。

目次

第1章 人間の本性のなかにある光
惰2章 パラケルススの『長寿論』
第3章 人間の自然性と霊性の再統一
第4章 錬金術の心理学的意義
終章 ユングとパラケルスス

著者等紹介

ユング,カール・グスタフ[ユング,カールグスタフ][Jung,Carl Gustav]
1875年、スイスに生まれる。精神医学を専攻し、フロイトに出会い、その学説を批判的に発展させ、分析心理学を提唱。「ユング心理学」を確立する。1961年、逝去

松田誠思[マツダセイシ]
1941年、岡山県に生まれる。広島大学大学院文学研究科を修了。神戸親和女子大学教授。アイルランド文学専攻。日本イェイツ協会会長
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

roughfractus02

10
パラケルスス『長寿論』(みすず版『パラケルスス論』所収)を心理学的に説く本書は、物質的自然と教会の信仰の矛盾を平行関係に置き、両者の「永遠の人間」への合一を目指す彼の錬金術の存在論に注目する。パラケルススは無意識の中の意識である「自然の光」(物質:身体)と知識の源泉「精霊の光」(心)の平行関係が、「蒸留」によって「合一」されると考えた。存在の根本(第一質料:混沌)イリアステルは、その薬学面のパルサムと水性面のアクアステルを「蒸留」することでそのイデア性を現実化する。著者はこの水性面に近代の無意識を見出す。2021/06/27

みかん。

4
アニマと老賢人、それらは啓示をあたえる存在だ、と経験的にありふれた元型が結びつき、メルクリウスとなる。メルクリウスは蛇の乙女ともいわれ、また老いたるメルクリウス、あるいはヘルメスとも同一視される。2023/10/06

オズ

4
たまたまユングの漫画読んでたらゲド戦記のことを思い出し、また錬金術の話が面白そうなので本書を手にした。東洋の思想からも強い影響を受けているだけあり、仏教とも近いものを感じる。闇の否定ではない、影の受容というユングの思想は大乗的でもある。パラケルススの医者としての情熱なんかにも触れており興味を持って読めた。2019/03/03

nina

4
人間の無意識のなかにある心象を意識に関係づけることによって、人格の全体性を回復しようとするユング心理学と類比関係にあるグノーシス思想。キリスト教によって異端とされた古代グノーシスと現代の無意識の心理学を媒介するのが錬金術であり、その中でユングが重視したのがルネサンス期の医師で錬金術哲学者だったパラケルススという人物。この本のユングの著述部分のほとんどはこのパラケルススの思想を解明することに従事している。終章で翻訳者の松田さんが解説を加えてくださってるので助かったものの、錬金術初心者には不向きな本であった。2013/08/02

ダージリン

2
ユング派の人の本で錬金術がたびたび触れられるが、そもそも錬金術のなんたるかに関する知識がなく少し学んでみることに。単純に金を得る技術という風に考えていたが、独自な世界観・宗教観と一体になっており、多分に神秘主義的である。金を得ることが目的ではなく、純化された聖なる霊体の賛美があり、聖なるものへ近づく秘術という色彩が強いという印象。その世界観は内的な精神への見方を規定し、深層心理学と深く関わってくるのだろう。2025/06/29

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