内容説明
縄文時代とは、どんな時代だったのか?激変する自然環境のなかで、縄文人はどのように自然と折り合いをつけて独自の縄文文化を築き上げたのか。最新の発掘と科学研究の成果をとりいれて、縄文時代のはじまりから終焉までを描く。
目次
1 縄文文化の誕生(最終氷期の環境変動;「草創期」という時代 ほか)
2 縄文人の生活と生業(竪穴住居の出現と定住集落の形成;新しい環境の創造 ほか)
3 縄文人の社会(住居の営みと集落の仕組み;集落と村落のつながり ほか)
4 縄文文化の発展と限界(縄文文化の広がり;東西日本の地域差 ほか)
5 縄文から弥生へ(日本列島の自然と農耕の条件;農耕社会の形成 ほか)
著者等紹介
勅使河原彰[テシガワラアキラ]
1946年、東京都生まれ。1975年、明治大学文学部卒業。文化財保存全国協議会常任委員。第2回尖石縄文文化賞、第13回藤森栄一賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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tamami
30
数年前に読んだ本をざっと読み返しながらの感想です。本書は一万数千年も続いたとされる縄文時代についての、概説書です。一万数千年といえば、古事記や日本書紀が書かれた時代から現在までの時間のおよそ10倍。とても長い時間をかけて人々の生活や社会は、非常に緩やかに変化してきました。それまでの遊動生活から定住へ、そして弥生時代の始まりまで、列島各地の遺跡の発掘を通して分かったことを中心に、最新の研究成果を盛り込んで様々な視点から解説しています。内容的にはかなり専門書的な記述が多く、始めは戸惑うかも知れません。→2020/09/17
鯖
14
最新の研究成果に照らし、縄文時代はどんな時代だったのかを様々な面から描く。たまにテレビで描かれる農耕による貧富の差がない、争いのない理想郷だというのは嘘だということは私にも分かる。栽培植物の最初が早期はヒョウタン、エゴマ、前期が小豆に豆、ヒエ、その辺りが栽培に適して品種改良されてという辺りが面白かった。でも豆が主食にならないのは自明で、農耕が完成した社会でも台風ひとつでジャガイモ小豆コーンがああなるわけで…。大変だったろうなあとしみじみ。今日もお米が美味しいです。先人に感謝を。2016/10/02
Kazuo
1
最近30年で、科学的測定機器が以前よりも圧倒的に利用しやすくなり、埋蔵物発掘の加速と相まって、縄文時代に対する理解が飛躍的に深まったらしい。知らなかった。空想を基にした議論が影を潜めて、科学的な検討が進むことを期待する。2018/07/29
arere
0
縄文時代の最新成果を一望する良書。2016/10/24