内容説明
東日本大震災で津波被害にあった福島県南相馬市には、古代の役所「行方郡衙(なめかたぐんが)」が置かれていた。戦乱・災害に激動する古代東北の地に、律令国家と地域社会を結ぶ要となり、産業振興に大きな役割を果たした郡役所の姿を追う。
目次
第1章 伝説の地、泉に眠る古代遺跡(陸奥国行方郡;伝説の地、泉に眠る遺跡)
第2章 全貌をあらわした郡庁院(群庁院の発掘調査;郡庁院の全貌に挑む;都庁院の構造と変遷)
第3章 地方官衙のさまざまな役割(正倉院―多様な基礎構造をもつ「倉」と「屋」;正倉院を特徴づける出土遺物;交通宿泊機能をもった官衙;水上交通関連施設;農業経営の拠点となった郡衙;官衙の変遷)
第4章 瓦からみた寺院(寺院の創建―1群の瓦;天平期の補修―2群の瓦;平安時代の補修―3群の瓦)
第5章 行方郡の地域社会(行方郡の成立と在地氏族;行方郡の製鉄;手工業生産の展開と地域開発;これからの泉官衙遺跡)
著者等紹介
藤木海[フジキカイ]
1973年、東京都生まれ。国士舘大学文学部史学地理学科卒業。立正大学大学院文学研究科史学専攻修士課程修了。2011年6月まで南相馬市教育委員会文化財課で泉官衙遺跡の保存・整備を担当したが、東日本大震災の災害対応のため、南相馬市役所建設部建築住宅課副主査を経て現在、南相馬市教育委員会文化財課主任文化財主事(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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