内容説明
人は動物たちとどのようにかかわり、また何を託してきたのか。新進気鋭の研究者たちが、最新の動物考古学の成果をもとに、深くて、意外で、ユニークな人と十二支の動物たちとのつながりを語る。
目次
子(ネズミ)
丑(ウシ)
寅(トラ)
卯(ウサギ)
辰(タツ)
巳(ヘビ)
午(ウマ)
未(ヒツジ)
申(サル)
酉(トリ)
戌(イヌ)
亥(イノシシ)
解説 動物考古学の今
著者等紹介
設楽博己[シタラヒロミ]
1956年群馬県生まれ。静岡大学人文学部卒業後、筑波大学大学院博士課程単位取得退学。博士(文学)。国立歴史民俗博物館考古研究部助手、同助教授、駒澤大学文学部助教授、同教授を経て、東京大学大学院人文社会系研究科教授。専門は日本考古学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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びっぐすとん
11
職場本。普段はあまり意識することもないけれど、年末(特に年賀状の用意の時)になると気になるのが干支。動物考古学の視点から十二支に出てくる動物と人間の関わりについて述べられていて面白い。やはり自分や家族の干支は気になる。人類のベストパートナー、犬の明暗が個人的には一番興味深かった。縄文以来墓に丁重に埋葬されるイヌがいる一方で、食用にされたイヌもいるなんて、イヌにしたら天国と地獄だわ。先日のハニワ展で見たハニワの写真もあったりして、ダラダラと読んでいたが逆にタイムリーで良かったかな。2024/12/02
志村真幸
1
8人の動物考古学の研究者が集まった論集。 十二支のそれぞれについて、考古学による知見が最新のものまでふくめて、幅広く紹介されている。日本が中心だが、中国やヨーロッパなども。 子年がもっとも興味深かった。出土するネズミの骨からオセアニア地域における人類の拡散をあとづけたり、ネズミ返しのサイズからネズミの種類を推定したり、壺に残るネズミの爪痕の写真が出ていたり。 動物考古学の有用性と魅力が存分に伝わってきた。 また、酉年、戌年、亥年も最新の知見がたっぷりと披露されており、従来の概念を覆してくれる。2021/08/14