内容説明
ただの「傾聴」ではない!“支援する/される”という非対称な支援関係を放棄した新しい支援の方法。クライエントが語る「問題」に揺さぶりをかけ、その隙間から「希望」の物語をつむぎだす。ソーシャルワーク領域におけるナラティヴ・アプローチの可能性を具体的に論じる。
目次
1 ナラティヴ・アプローチとは何か?
2 困難事例を支援する
3 多問題家族を支援する
4 グループで支え合う
5 コミュティの物語をつむぐ
6 ナラティヴ・データを分析する
著者等紹介
荒井浩道[アライヒロミチ]
1973年群馬県生まれ。早稲田大学大学院人間科学研究科修了。博士(人間科学)、社会福祉士。早稲田大学助手等を経て、駒澤大学准教授。2012年、日本老年社会科学会奨励賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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ゆう。
25
支援する/される関係で援助者とクライエントとの非対称性の関係がある限り、パターナリズムは解消されることはなく、そのため「原因」は何であるかの特定を放棄し、無関心(「無知の姿勢」)であろうとすることがナラティヴ・アプローチだとしています。そこには社会構成主義の「本質はない」という考え方が背景にあります。僕は援助者は「思いを持った労働者」であり、また社会問題を背景にしてクライエントの苦しみは形成されると思っています。一つの技法としては参考になりますが、社会福祉の「社会」が見えない援助方法のようにも感じました。2016/09/29
くみっふぃー
8
【図書館】“〈支援〉しない支援”の方法について、事例をもとに書かれている。私自身、福祉の現場から離れて時間が経っているので、理解力が低下していて、頭に入ってこなかった。そのため、今回はざっと流し読み。支援の方法にも色々あるので、勉強になりました。また、機会を作って、じっくり読んで勉強したいと思う。2015/04/25
ryo
6
関心のあるナラティブについて。2023/06/11
Miwa
3
支援しない支援とは?と読み進めていくと、なるほど目からウロコ。具体的な事例をもとにまとめられているのでとても読みやすい。クライエントと関係がいまいちうまく作れていない…と疑問に思ったときに読むと、新たな視点を与えてくれると思う。テキストマイニングによる分析の可能性も書かれているので、研究に興味がある人にもおすすめです。2015/03/16
中山りの
2
直接援助技術としてのナラティヴは、言語能力に頼る部分が大きく、その適用範囲は狭い気がする。しかし「無知の姿勢」など支援者として必要なスタンスが、この技法にはあると思う。2016/09/04
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