内容説明
唐・新羅連合軍に滅ぼされた百済を救援するため、六六一年、斉明天皇は難波津から九州へ向かう途上、伊予の石湯行宮(いわゆのかりみや)に二カ月ほど滞在する。愛媛県松山市でみつかった整然と区画された最古の役所跡に、古代王家と伊予の地のつながりを追究する。
目次
第1章 王家と深くかかわる地
第2章 最古の政庁
第3章 石湯行宮か?―回廊状遺構
第4章 広がる官庁街
第5章 寺院の建立
第6章 政庁の出現はいつか
第7章 これからの久米官衙遺跡群
著者等紹介
橋本雄一[ハシモトユウイチ]
1969年、愛媛県生まれ。1992年、岡山大学文学部史学科考古学履修コース卒業。同年、財団法人松山市生涯学習振興財団、現在の公益財団法人松山市文化・スポーツ振興財団にて遺跡の発掘調査に従事する(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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金監禾重
1
最古の地方官衙(役所)、謎の回廊状遺構、約100m四方の条坊を思わせる土地区画、そして文献史との関連と、魅力的な遺跡だ。白村江の大敗を挟む時期に創建・改変されており、社会の変化を見事に表す遺跡と言える。本の残念なところは同類遺跡との比較がないこと(時代が他より早くて比較対象がないのもこの遺跡の価値なのかもしれないが)。遺跡の残念な点は模型がないこと(イラストより伝わると思う)、現地がただの空き地であること。調べてはみたものの、行く意味あるかな、と思ってしまった(失礼)。2018/08/15
みかんAA
0
国道11号を通ると、「久米官衙遺跡群」って標識がわざわざ出ている場所。どんだけ凄いのだと現地に行ったこともあるが、活用されていないのでただの草原。なにが凄いのかもさっぱりだったが、そーか、天皇が別荘的に政治をやったかもしれない場所だったのだな。はっきりしたことはわからないが、当時「伊予の久米」が栄えていたというのがなんとなく想像できる本。専門じゃないので難しかったが…。2019/07/02