内容説明
南北朝時代、後醍醐天皇の命を受け、幼くして九州へ赴いた懐良親王は、征西大将軍として戦いの日々を重ね、ついに大宰府に南朝征西府を開き、後村上天皇の皇子、良成親王に後を託した。
著者等紹介
太郎良盛幸[タロウラモリユキ]
1945年、福岡県八女郡矢部村生まれ。1968年、熊本大学教育学部社会科卒業。1968~1999年、福岡県立浮羽東・八女・久留米農芸(久留米筑水)・黒木高等学校社会科教諭。1999~2006年、福岡県立福島高等学校定時制・黒木・三池工業高等学校教頭・校長。2006年、福岡県立三池工業高等学校退職。2007~2009年、岩戸山歴史資料館館長。2009年より日本経済大学教授
佐藤一則[サトウカズノリ]
1943年、大分県宇佐郡安心院町(現宇佐市)生まれ、矢部村在住。地元の高校を卒業後、会社勤務を経て保険会社代理店を営むかたわら、日本の古代史の研究に勤しむ。八女市矢部村在住を機に地元の南北朝史を研究(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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浦
9
懐良親王により興り良成親王へと続いた、九州における南朝勢力について現地の元高校教員が、郷土史家とともにまとめた小説。北方謙三の「武王の門」と比較すると、もちろん専業作家の出すメリハリには小説としての面白さでは敵わないが、その分郷土史に忠実に描かれているだろうから、どこを北方さんが変更してかっこよくしたかがよく分かる。戦いながら追い詰められていく悲壮感は、こちらの作品のほうがよくわかる。やっぱり戦いは嫌だよな・・・。このころの歴史が、いまでも地域に引き継がれて校歌や史跡で残っていることは、本当に素晴らしい。2018/02/17
ソババッケ
3
南北朝時代、九州でもその攻防戦が繰り広げられた。懐良親王とその後継の良成親王が南朝方の征西府を開いて活躍した50年ほどの間である。吉野の南朝から派遣された親王とその家臣団は九州各地で転戦し、やがては九州全土を南朝方で統一してしまう。南北朝統一後は、親王や家臣団の子孫は、御所のあった矢部に土着して現在に至る。作者はこの地方の歴史を古文書ではなく、小説という形で後世に残したくて、取り組んできたようだ。それが発展して両親王の生涯を綴る形で福岡県南部を描くことに。頭の下がる取組であり、楽しめた作品。★3.82013/02/19
sorajin
0
小説というよりは、歴史書を読んでるような感じだったが、南北朝時代についてほとんど知識のない自分には興味深く面白かった。そして福岡県南東部、八女地方等行ってみたいと思った。2016/12/04
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