内容説明
かつて天皇にかわり、未婚の皇女が都から伊勢におもむき、伊勢神宮に祈りをささげる制度があった。その皇女の宮殿、斎宮は長く幻の宮と伝承されてきたが、発掘調査によって、平城宮をモデルとした広大な官衙であることが明らかとなった。皇女の宮を復元、追及する。
目次
第1章 幻の宮
第2章 神宮に仕える未婚の皇女
第3章 斎宮研究の歩み
第4章 よみがえる宮殿
第5章 斎宮の日々を語るもの
第6章 史跡に暮らす人びと
著者等紹介
駒田利治[コマダトシハル]
1948年、三重県生まれ。三重大学教育学部卒業。立正大学大学院文学研究会修士課程修了。教職を経て、1977年から三重県教育委員会に勤務。斎宮歴史博物館調査研究課長、文化財保護チームマネージャー、世界遺産特命監を務め、2008年退職。現在、三重県史編集委員(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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月をみるもの
11
明確に歴史に残ってるのは、天武期の大来皇女からだが、豊鍬入姫命や倭姫命に相当する皇族の女性はそのずっと前からいたのだろう(豊鍬入姫命を、卑弥呼の後継者であるトヨに比定する人もいるらしい)。歴代の斎宮のリストの名前がみんな *子 となってて、この命名ルールが戦後民主主義によって一般人にも広まったのだなあ、、ということを初めて認識した。。 https://oshiete.goo.ne.jp/qa/2402243.html2019/05/10
ゆの字
2
考古学の観点からのアプローチ。斎宮の生活が具体的に垣間見られて、これは創作意欲がかきたてられる。2019/10/20
ゆきむらさき
2
奈良県明和町にある斎宮跡に関する内容。発掘された物や延喜式などの文献から当時の斎宮について考察されている。 雨乞いの儀式になぜ馬の形代が?と思ったが、「龍媒伝説」が絡むと知ってへーっとなった。2013/09/19
sfこと古谷俊一
2
伊勢斎宮の遺跡の発掘調査や文献から、ちいさな宮廷であった伊勢斎宮について、遺跡中心に整理。薄手ですが、フルカラー。図版や地図や写真も多い。最後まで掘っ立て柱なのが面白いですね。礎石も瓦葺きも利用しない、古式に乗っとった建物のままであると。これは礎石や瓦葺きが仏教建築に由来するからだろうと考えられてます。2009/06/20
海辻
1
名称は知られていても実体は謎の多い伊勢斎宮。発掘調査により斎宮の居住区を中心にした、計画都市の姿があきらかになってます。ただ肝心の斎宮座所の真上を、現在は鉄道が通っているのが悲しい。発掘は難しいでしょうね。2009/11/18