内容説明
国境で分断された土地クルディスタンに暮らす中東の先住民族クルド人。歴史に翻弄され続けた彼の地を繰り返し訪ねる写真家が、痛ましい現実のなかでも矜持をもって日々を大切に生きる人びとの姿を丹念に描き出す。
目次
プロローグ あたらしい旅
1 彼らの辿った路
2 往古を語る境界の地
3 幻の「マハバド共和国」
4 アスコールの物語
5 移ろう時の波間に
6 国境の町
7 遊牧の民と部族の横顔
8 アフワンの旅
エピローグ ジンの子供たち
著者等紹介
松浦範子[マツウラノリコ]
千葉県生まれ。武蔵野音楽大学音楽学部卒業。高校教師、会社員を経て、現在フォトグラファー。トルコ、イラン、イラク、シリアのクルディスタンを繰り返し訪問し、新聞、雑誌などで写真と文章を発表するほか、講演活動も行っている(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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ののまる
10
日本でのクルド人難民の苦境や、ISと闘う世界最大の少数民族クルド人、クルディスタンなど時事問題でわかったつもりになっていたクルドだけども、こうして彼らの日常を初めて知る。しかし、トルコでの迫害もすごいけれども、イランでもそうなんだな。2020/02/18
犬養三千代
6
何故なぜ何故?いきなりトルコに行って、さっそく旅に出て、その時のバスの運転手さんの家に宿泊??という前提が摩訶不思議。クルド人の生活様々な人との出会いは何故?2020/06/17
shiggy
3
面白い本だった。クルド人の事はあまり知らなかったし、中東と言えば、どうしてもパレスチナやイラクの戦争に興味が行ってしまうので、名前は知っていたけど、どういう人たちなのかはほとんど知らなかった。とても勉強になったし、この著者にも興味を持った。他の作品も読んでみたいと思う。2014/11/14
あきら
1
これまで、まったく知らなかったクルドのこと。 この1冊でだいぶ近づける気が…する。 もちろんそれは、 錯覚でしかないのだが、 この1冊に書かれていることは、 ほとんど世界が知らないこと。 知らされていないこと。 いや、知ってて、黙認されていることだ。 クルド人は、 国を持たない世界最大の民族である。 元々その地に住んでいたというだけで、 勝手に国境が引かれ、 国ができてしまった。 トルコ、イラン、イラク、シリアにまたがる、 クルド人の住む地、クルディスタン。 作者としてはト2009/05/16