内容説明
誰が一歩を踏み出し、どんな葛藤・軋轢を乗り越えるのか。国境、民族、宗教、言語などを越えた結婚に対する、国家や法の規制、他者への固定観念、拡大家族や親族との軋轢、アイデンティティの危機など、さまざまな制約を検討するとともに、文化の境界を越えるという困難な試みに挑戦している世界各地の多様な事例を紹介する。
目次
異文化結婚序論
文化を超えて―マジョルカ島における異文化結婚
機会、選択、環境―異文化結婚における女性の研究
異国の異性の魅力―東ネパールにおける異文化結婚に関するノート
人種化された境界を越えて―現代ガイアナにおける「アフリカ系」と「インド系」の異人種結婚
異文化結婚の政治学―ガーナ人とアフリカ系アメリカ人の事例の検証
選択の自由か、パンドラの箱か?―ウガンダにおける法的多元主義と異文化結婚の規制
愛と国家―ドイツにおける女性、異文化結婚、法
イスラームにおける異文化結婚―理想と現実
ヒンドゥー合同家族におけるイギリス人と北アメリカ人の義理の娘
異文化結婚におけるジェンダーアイデンティティとジェンダーの役割形態―日本人とデンマーク人の事例から
黒人か白人かの問題ではない―異文化結婚の子どもたちの声
著者等紹介
ブレーガー,ローズマリー[ブレーガー,ローズマリー][Breger,Rosemary]
ジンバブエ生まれ。南アフリカ、ドイツ、イギリスで生活経験がある。ナンビア育ちのドイツ人男性と結婚。オックスフォード大学のクイーンエリザベスハウス女性文化研究所研究員。ドイツの日本人に関するマスコミ言説やデュッセルドルフの日本人社会を研究中
ヒル,ロザンナ[ヒル,ロザンナ][Hill,Rosanna]
ロンドン大学で人類学を学ぶ。オックスフォードでフリーランス研究者およびコミュニティ・カレッジ講師。結婚と家族に関心をもつ
吉田正紀[ヨシダマサノリ]
立教大学経済学部卒業、イリノイ大学(ウルバナ・シャンペーン)で人類学部大学院修了(Ph.D)
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