内容説明
21世紀の現実に対する思想の通路をラディカルに再敷設するために―。哲学に対するマルクスの関係を系統立てて読み解くなかで、「マルクス主義哲学」の鎧を取り除き、彼の思想が持つ現代的意味と未来へとつなぐ途を考察する。
目次
第1章 哲学・哲学に対するマルクスの関係―四つの基本モデル
第2章 意識・マルクス意識論の端初規定
第3章 構想力・解放論的構想力と実在的可能性
第4章 唯物論・「哲学の“外への”転回」の途上で―前―唯物論期マルクスの唯物論理解
第5章 移行1・唯物論へのマルクスの移行
第6章 移行2・パリ期マルクスと仏英の唯物論的共産主義
第7章 批判・マルクスと「批判的唯物論的社会主義」
第8章 物件化・唯物論批判の論理と「物件化」
第9章 国家・マルクス国家論の端初規定
補論1 エンゲルス・エンゲルスによる「哲学の根本問題」導入の経緯―シュタルケとエンゲルスの『フォイエルバッハ論』
補論2 国家哲学・東ドイツ哲学の歴史的検証
著者等紹介
田畑稔[タバタミノル]
1942年大阪市に生まれる。大阪大学大学院文学研究科博士課程哲学哲学史専攻単位取得退学。富山大学教養部助教授(哲学担当)、広島経済大学経済学部教授(倫理学担当)を経て、2002年から大阪経済大学人間科学部教授(人間論、哲学担当)。専門はドイツ哲学およびマルクスの研究。近年のテーマとしては「アソシエーション革命」「日常生活世界の哲学」「人類史再考」「人間科学の新展開」など。季報『唯物論研究』編集長、大阪哲学学校参与、21世紀研究会代表世話人
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