内容説明
世界中で、生き物が消えつつある。陸でも海でも静かに砂漠化が進行している。二十五年間、屋久島の自然の中で、生きとし生けるものの微かな、ある時は荒々しい力=アニマを感受してきた山尾三省の思索の結晶。
目次
自然神達の息吹
暁紅の女神ウシャス
夜の暗黒を失った時代
夜の女神ラートリー
大陽神スーリア
自然現象という叡知
光明という神サヴィトリ
雨の神パルジャニア
理性の激震
荒々しい雨の神〔ほか〕
著者等紹介
山尾三省[ヤマオサンセイ]
1938年、東京・神田に生まれる。早稲田大学文学部西洋哲学科中退。67年、「部族」と称する対抗文化コミューン運動を起こす。73年、インド・ネパールの聖地を1年間巡礼。75年、東京・西荻窪のホビット村の創立に参加、無農薬野菜の販売を手がける。77年、家族と共に屋久島の廃村に移住し、耕し、詩作し、祈る暮らしを続け、今日に至る
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感想・レビュー
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mittsko
3
アニミズム思想の一冊。ヒッピーやコミューンの思想・運動を最後まで生きた山尾三省さん。生前最後の出版物が、辻直四郎訳『リグ・ヴェーダ讃歌』(岩波文庫)の味読をすすめる本書。01年7月刊。山尾氏が最後まで望みをかけ、『リグ・ヴェーダ』の中にその豊かな表現を見出したところの「アニミズム」すなわち「自然の万物神信仰」、それは「現代世界の大病を癒す根源思想のひとつ」に他ならない。「自然神達の息吹を太古にさかのぼって自分の内にさらに確かめておかねばならぬ」(15頁)。詩人の命がけの言葉は、どこの誰に届くだろうか。2021/01/23
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