内容説明
テムズの川旅に仕組まれた謎。芳醇なスコッチの味わいを思わせる高純度の本格探偵小説。黄金時代の未紹介作。
著者等紹介
ノックス,ロナルド・A.[ノックス,ロナルドA.][Knox,Ronald A.]
1888年英国生まれ。オックスフォード大学卒業後国教会の聖職につく。後にカトリックに改宗、大僧正にまでのぼりつめた。宗教関連の著作多数。1957年没
門野集[カドノシュウ]
1962年生まれ。一橋大学社会学部卒業
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感想・レビュー
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藤月はな(灯れ松明の火)
87
本格ミステリーにおけるフェアプレイの基本指針を打ち立てるが、アンチ・ミステリーにおいては冷笑ネタにされがちな「ノックスの十戒」。その作者が描くファアプレイ作品が本書である。この作品は、コメディ小説『ボートの三人男』がインスパイアされている為、美しい自然描写もあります。しかし、ボートに乗るのは遺産や三角関係の因縁でいがみ合う、嫌な男二人なのでちっとも癒されない。そして案の定、起こる事件。不可解な手掛かり、限られた容疑者の中で浮かんだ真相とは。それにしても夫とも対等にやり取りするアンジェラさんが本当に素敵だ。2019/05/26
紅はこべ
12
『ボートの三人男』に影響を受けた作品。カトリックの坊さんが書いた小説にしては意地が悪いなと思いつつ読んでいたが、結末はやっぱり聖職者らしかった。2008/02/05
ホームズ
9
全体としてはやはり淡々とした感じで物語が進んだ感じですね(笑)事件としては消えた被害者、明らかな容疑者、遺産相続、日付によって変わる保険金の受取人、新たな遺産の登場と容疑者登場など面白かったですね(笑)探偵役のマイルズ・ブリドーンと奥さんのアンジェラの会話が楽しいですね(笑)リーランド警部も交じると(笑)2011/03/03
ホームズ
5
ノックスの唯一のシリーズ探偵マイルズ・ブリドーンの活躍するシリーズ。好きなシリーズですがドキドキやワクワクといった感じは無く、物語が淡々と進んでいくので寝不足の時に読むと危険かも(笑)ボートから消えた被害者の謎が事件なのか事故なのか?といった感じの謎はいい感じなんですけどね(笑)しかし大僧正で猊下と呼ばれる人物がミステリ書いてしまうなんて(笑)2009/07/20
おふねやぎっちらこ
4
1928年に書かれたクラシック・ミステリーだけど、古臭く感じないのは当時のイギリスが進んでいたのか?それとも、英国の田園地方は当時からあまり変化ないのか?現代の日本に置き換えて、アウトドアミステリーとして十分通用するのではないでしょうか。2023/08/18