内容説明
映画の撮影所という「魔界」を舞台にした本格派の挑戦的ミステリ。ヘンリー・メリヴェール卿登場!登場人物たちが、作品世界の中で実に生気に満ちて、呼吸している。プロデューサーも監督も脚本家も俳優も皆、特異な人間であるが、カーの筆致にかかるとそのラディカルなまでの作風に見事にマッチし、その異界におけるリアリズムを成立させているのだ。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ako
12
期待と緊張でいっぱいのモニカが初対面のカートライトと口喧嘩をする場面はあとから読むと微笑ましい。殺人未遂は起こるものの殺人が起らないので、事件よりも2人の関係がどうなっていくかの方に興味が移ってしまいました。2015/10/09
ホームズ
8
事件が起きるまで長い・・・。しかも殺人事件ではなく殺人未遂が続き結局殺人が起きない・・・・。H・Mの登場も遅く全体的に少し物足りない作品でした。2010/07/16
**くま**
6
ミステリ的にはどうかな?と思うところもあるけれど、カー作品では珍しく主人公(もしくはそのひとり?)が女性という点を、もしかしたらカーファンの中では少数派なのかもしれない女性読者のひとりとして、まず評価したい。カーはほとんど男性が主人公でラブコメ要素が強い作品でも男性向け?と思うことが少なくなく、特に歴史ミステリなんてもろに男性向け、男のロマンな印象。今回はベタなラブコメですが主人公が女性作家で、まるで恋愛映画やドラマ、少女漫画のノリ。訳もすごく読みやすいし、華やかな映画界が舞台なので女性向け度が高いです。2014/03/08
くまむ
6
カーの作品は、あまり数を読んでいないので、他の作品と比較するのが難しいですが、ちょっとあっさりしすぎな感じがありました。 序盤のモニカとカートライトの掛け合いはとても微笑ましく、楽しみながら読めました。 ところどころに出てくる二人組みとか、消えた映画フィルムの行方とか、ユーモラスで楽しい作品でした。 ミステリとしては、トリックが~あれ? そんな事が可能かどうか、説明されてたっけ? みたいなトリックがあったりしましたが、純粋に物語として楽しむ事ができたので良しとします。 おおむね、満足でした。2013/08/04
みい⇔みさまる@この世の悪であれ
4
☆×3.5…ありゃ?これはずいぶんとあっさりすぎやしませんか。ある女性が執拗に狙われる割にはまったく殺されないという犯人が非常にお間抜けな作品。へまにへまを重ねて最終的に被害は出したけど…狙った人が悪すぎましたね(笑)トリック云々の問題としてここまであっさりされると唖然、作者名間違ってませんよね?読みやすかったけれどもH・M卿の残酷さまでなくなってなんかさびしかったです。2010/08/27