幻想文学、近代の魔界へ

電子版価格
¥2,640
  • 電子版あり

幻想文学、近代の魔界へ

  • ただいまウェブストアではご注文を受け付けておりません。
  • サイズ A5判/ページ数 274p/高さ 21cm
  • 商品コード 9784787291790
  • NDC分類 905
  • Cコード C0395

出版社内容情報

現代の文化環境に広く浸透し、魔的な魅力で心をくすぐる幻想文学。夏目漱石から怪談、映画、ミステリ小説、ゲームまでを射程に収め、「幻想」が成立する場=魔界を見定めて近代へと遡って、多様な視角から闇を探索する「ナイトメア叢書」第2巻。

「闇」への想像力をかきたてるために――「ナイトメア叢書」刊行にあたって 一柳廣孝


はじめに 一柳廣孝


第1章 「幻想文学」とその時代――東 雅夫インタビュー

「幻想文学」とその時代――東 雅夫インタビュー 聞き手:一柳廣孝/吉田司雄
 1 エディトリアルの原風景
 2 〈幻想〉な大学時代
 3 「幻想文学」とその時代
 4 「幽」を使い倒す
 5 これが私の生きる道


第2章 幻想コラム

「人外」の幻想文学――乱歩・マッケン・中井英夫 真杉秀樹
ロマンティシズムの継承権 高原英理
なにを歌ったのかな?――ロス幻談 遠藤 徹


第3章 幻想文学史を再考する

座頭を殺す――『夢十夜』第三夜の幻想文学史 高山 宏

女霊の江戸怪談史――仁義なき「後妻(ルビ;うわなり)打ち」の登場 堤 邦彦
 1 女霊の復讐
 2 後妻(ルビ;うわなり)打ちのルール崩壊
 3 妬むべからず、祟るべからず
 4 近世怪異小説のまなざし
 5 怪談と因縁咄のスタイル

怪談と語りの近代 高木史人/飯倉義之
 1 「怪談」をどのように位置づけるか――高木史人から飯倉義之さんへ
 2 「怪談」の隣へ 笑話・色話――飯倉義之から高木史人さんへ
 3 口に甘く、耳にやさしい研究の台頭――高木史人から飯倉義之さんへ
 4 やさしい世間の、やさしいわたし――飯倉義之から高木史人さんへ
 5 怪談と語りの近代――高木史人から飯倉義之さんへ

〈少女〉という快楽――田山花袋「少女病」をめぐって 光石亜由美
 1 〈少女〉の誕生と〈処女〉の価値
 2 〈少女〉という快楽装置
 3 「少女病」という新しい欲望
 4 淫行条例と〈少女〉

影たちの街――カリガリスムと日本 中沢 弥
 1 都市幻想
 2 カリガリ博士のキャビネット
 3 富ノ澤麟太郎の横顔
 4 表現主義映画と日本
 5 カリガリを探して

家郷/家霊幻想の文学誌――特に「メイスケさん」の系譜について 長山靖生
 1 幻想文学の在処
 2 反社会の秩序/社会の無秩序
 3 想像/創造される「歴史」
 4 「再生」する創造主と暗黒神
 5 過去からの光に動かされる男
 6 反国家としての愛国という系譜

もう一つのクローズドサークル――『八つ墓村』と『屍鬼』 横濱雄二/諸岡卓真
 1 開かれた閉鎖空間
 2 物語と反復
 3 遡行と緊迫
 4 閉鎖の反復
 5 閉塞の緊迫
 6 なぞり返すこと

ファンタジーRPGにおける「幻想」の居場所 高橋 準
 1 「空想的なもの」と「現実的なもの」
 2 「空想的なもの」とRPG
 3 RPGが「ファンタジー」であるために
 4 旅と戦いと――未知なるものを飼いならす
 5 汝ら、とらわれし者たちよ――欲望の増殖と反復のなかで

夢の言葉の現実性(ルビ;リアリティ)――崎山多美「孤島夢ドュチュイムニ」 渡邊英理
 1 夢の言葉
 2 女の声と女の身体
 3 視ることと視られること、乗り入れることと乗り入れられること


[連載]
真夜中のセクシュアリティ(第2回)
 夢みる少年でいるために――『新世紀エヴァンゲリオン』の再生、あるいは「虚構」の未来に向けて 久米依子
  1 『Neon Genesis:Evangelion』のプロジェクト
  2 日常のなかのヒーロー
  3 陶酔と覚醒の間で

ゆらぐフレームの内外(第2回)
 『黒革の手帖』のゆくえ 吉田司雄


第4章 日本ドッペルゲンガー小説年表稿 西井弥生子

日本ドッペルゲンガー小説年表稿 西井弥生子


第5章 書評エッセイ&ブックガイド

文学史の降霊術師・高田衛――西洋へ向けての江戸文学・近代文学の紹介を兼ねて フランソワ・ラショウ

前田愛・私的断章 東郷克美

ブックガイド 川崎公平/横濱雄二/諸岡卓真/成田大典/井上貴翔

目次

第1章 「幻想文学」とその時代―東雅夫インタビュー
第2章 幻想コラム(「人外」の幻想文学―乱歩・マッケン・中井英夫;ロマンティシズムの継承権;なにを歌ったのかな?―ロス幻談)
第3章 幻想文学史を再考する(座頭を殺す―『夢十夜』第三夜の幻想文学史;女霊の江戸怪談史―仁義なき「後妻打ち」の登場;怪談と語りの近代 ほか)
第4章 日本ドッペルゲンガー小説年表稿
第5章 書評エッセイ&ブックガイド(文学史の降霊術師・高田衛―西洋へ向けての江戸文学・近代文学の紹介を兼ねて;前田愛・私的断章;ブックガイド)

著者等紹介

一柳廣孝[イチヤナギヒロタカ]
1959年、和歌山県生まれ。横浜国立大学教員。専攻は日本近代文学、日本近代文化史

吉田司雄[ヨシダモリオ]
1957年、東京都生まれ。工学院大学教員。専攻は日本近代文学、文化研究(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

p-nix

2
『八つ墓村』と『屍鬼』の比較分析が面白かった。反復する物語、洞窟の奥へと進む空間的移動が過去への遡行となり真相へと近づく。2009/02/06

fantamys

1
再読。いろいろと読んだあとだとさらに発見があり。2021/01/23

羊男

1
東雅夫へのインタビューが同時代の自分としてはその頃の背景のリンクが繋がつて、あるいは同情して楽しかった。いまはSFばかり読んでいる気がするけれど、当時は幻想文学ばかり読んでいたことを実感した。それでもいまだに家にある泉鏡花全集は読み終えていない。平井呈一や荒俣宏、「世界幻想文学全集」と三一書房をよく読んでいたことを思い出した。2016/02/14

fantamys

1
幻想的なものに関するの表象、現象について。なかなか視点が広くて面白かった。2012/12/26

ひめの たろう

0
青弓社2号 2006/05

外部のウェブサイトに移動します

よろしければ下記URLをクリックしてください。

https://bookmeter.com/books/23287
  • ご注意事項

最近チェックした商品