出版社内容情報
没後50年をへたいま、時空を超えてよみがえる。私たちを震撼させるほどの圧倒的な巨歩が──。民俗学、思想史、博物学から植物学まで熊楠研究の第一人者たち9人が、巨人南方熊楠の足跡を追って多様性に分け入り、その全体像に迫る論考集。
はじめに
1 紫の粘菌譜――昭和天皇と熊楠の縁(ゆかり)をめぐって 荒俣 宏
2 「民俗学」誕生のはざまに――南方/柳田論争をめぐって 赤坂憲雄
3 「植物学者」南方熊楠 萩原博光
4 熊楠マンダラ――南方熊楠の宗教、哲学、科学観 環 栄賢
5 南方熊楠と神社合祀反対運動 鎌田東二
6 環境権運動と南方熊楠――日露戦後経営と大正デモクラシー 後藤正人
7 失われたエチカ――南方熊楠「浄の男道」再論 松枝到
8 南方熊楠の性愛論 村岡 空
9 熊楠伝説・断章 神坂次郎
あとがき
南方熊楠略年譜