内容説明
映画はその誕生から常に男性主体のまなざしによって構築され、観客も「見る男/見られる女」の構造を自らの思考様式・行動規範として受容していった。だが、女性たちは必ずしもその役割に甘んじていたわけではない。撮られる側も撮る側も相互に影響しあい反発するダイナミズムにこそ映画の核心がある。フェミニズム映画理論の視点から古今東西の映画を展望し、映画とジェンダーに通底する問題群を照らし出して批評の可能性を探る。
目次
1 映画とジェンダー(『海から来た娘たち』―娘たちが語るとき、新しい黒人女性像へ;もし僕の指を…―ゴダールとフェミニズム;映画とジェンダー/セクシュアリティ ほか)
2 撮られる女/撮る女(ヒッチの陰に女性あり―ハリウッド幻想を逆手にとるヒッチコックの女性たち;フェミニスト映像作家・出光真子;フィルムメーカーとしてのオノ・ヨーコ ほか)
3 スクリーンとの対話(男性・女性、オトコとオンナの間―ゴダール『男性・女性』;男性か女性か、それが問題だ―ハワード・ホークスのジェンダー力学;小川プロ神話を解体する―『Devotion 小川紳介と生きた人々』 ほか)
著者等紹介
斉藤綾子[サイトウアヤコ]
1957年、東京都生まれ。明治学院大学教授。専攻は映画研究、特にジェンダー表象、フェミニズム映画理論と批評(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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