内容説明
三原色と補色による色遣いは、絵画の歴史をかたちづくってきた。特に、モネ、スーラ、ゴッホ、ゴーギャン、マティスなど近代の画家たちの「色」の選択を、色彩理論との関係を通じて解析し、その表現法の秘密をさぐる。絵画を全点カラーで所収して解説する。
目次
光を色彩に変えた近代絵画
伝統絵画における三原色
拡張する赤・青・黄の三原色の世界
ポータブル化する絵の具と主題の変容
補色対比から三原色に向かう画面構成
光を捉えた色彩による絵画の変革
写真と絵画の相互性
光を究め、色に顕す
光の表象としての黄による新しい表現
三原色の色遣いと色彩の自立化
室内の光への回帰と色遣いの拡張
映像時代の絵画における「動き」の表現
抽象化・平面化と三原色
わが国近代絵画の三原色
現代絵画の三原色
著者等紹介
小田茂一[オダシゲカズ]
1949年、石川県生まれ。東京大学文学部(美術史)卒業、広島大学大学院社会科学研究科博士課程前期(マネジメント)修了。NHKの教育・教養系番組ディレクターおよびプロデューサーを務め、現在、愛知淑徳大学メディアプロデュース学部(メディアコミュニケーション専修)教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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配色から見るおもしろい絵画史。近代以前、色はイコニックに使われた。黄色は天使、青はマリアなど。主に赤青黄の原色だった。カメラが誕生し、浮世絵が伝わると、モネやスーラはCMYとその補色を並置することで光を原色に解体し、表現した。輪郭線は描かれずに平面は短い線や点によって塗り分けられた。。補色によって、より明るく、強めあった。まさに網点印刷のもとになるシュヴルールの色彩理論がその背後にある。黒は使ってない。「日の出」の湖も、シアンと白などを併置している。その後、色は抽象絵画や形の表現にも使われるようになる。2018/01/24
mita
0
難しいが興味深い世界2015/09/03