内容説明
「ひきこもり」という枠を超える現代の社会的孤立。20年以上にわたる国や行政による支援の変遷、相談窓口や民生委員が直面する実態、海外の研究動向を検証し、生涯にわたる社会的孤立の解消を目指す施策を提言する。
目次
序章 生涯にわたる孤立の状況と「ひきこもり」概念の限界
第1部 社会的孤立とひきこもりの概念(社会的孤立の概念―生涯にわたる孤立はどのように捉えられるか;第2章 ひきこもり概念の意義と限界;補論1 社会的に孤立する人の支援エピソードの検討;補論2 既存の「ひきこもり」研究の限界―社会学的研究の自己反省の試み;海外の孤立研究は何を明らかにしてきたのか―子ども・若者の対人不安と成人期への移行を中心に;補論3 参加の欠如が対人交流に及ぼす影響について)
第2部 統計調査にみる孤立とひきこもり(内閣府ひきこもり調査の検討;社会的孤立に関する調査による外出限定層の検討;民生委員を対象とするひきこもり・社会的孤立調査;生活困窮者窓口のひきこもり支援と「命の危険」;地域包括支援センターでの8050事例への対応)
第3部 多元的包摂への展望(支援における分断と全方位型のアセスメントの展開;ひきこもりと孤立に関する支援論の変遷;生きづらさを抱える人の支援活動における「当事者」像の課題)
終章 孤立の多元的な理解と支援
感想・レビュー
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ハナさん*
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2025年5月13日第1刷。市図。ひきこもり概念の「過剰拡張」や「見落とし」を指摘し、「ひきこもりを社会的孤立の一つとして理解することが、議論の単純化や縦割り化を乗り越え」(p.14)ることにつながるとして、「ひきこもりを社会的孤立の代名詞のように用いるのではなく、むしろ社会的孤立を基本用語として用いること」(同)を提案し、「ひきこもりという言葉で表現されてきた悩みの内容は、社会的孤立の一側面として、もう少し具体的な言葉に置き換えて適切に論じることが可能」(同)だと語る。俯瞰的で多面的なアプローチはマル。2025/08/03
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